blog
2020-05-01
ゴールデンウィークに入り、時節柄遠出もできないので
中原街道を小杉まで歩いて沿線を丁寧に見て回りました。
まず小杉十字路の手前にある泉澤寺。葬儀で来たことは
あってもじっくり散策するのは初めて。室町時代に世田谷で
創建されたこの寺は、諸堂が焼失して1550年にこの地に移り、
江戸中期にできた本堂は昭和5年に屋根を大改修しました。
それを施工したのが私の祖父の重太郎で、設計を担当した
当時海軍技師だった吉野福三郎氏に認められ、昭和10年に
着工した西五反田の氷川神社の本殿の施工に繋がりました。
泉澤寺の後向ったのは西明寺。創建年代は不明で弘法大師が
その高弟に建立させた説も。江戸時代、隣地に小杉御殿が出来て
将軍家の崇敬を受け、近隣に末寺20余寺を擁していたとのこと。
中原街道から細い参道を行くと仁王門があり、広い境内には
本堂をはじめ鐘楼、観音堂、客殿など建築的に見るべきものが
多く点在していますが、初めて知るものばかりでした。
仁王門
さらに進み小杉陣屋町の交差点手前に、現JAセレサ川崎の
組合長・原修一さん宅で明治創業の「石橋醤油店」、そして
市の重要歴史記念物に指定された安藤家の長屋門があります。
石橋醤油店
安藤家の長屋門
その並びには昨年国の登録有形文化財に指定された旧原家表門
があり、元あった豪壮な住宅(明治44年上棟)は棟梁が市川登代次郎
(私の本家)、副棟梁が重太郎の父、清次郎でした。この建物は
当社の施工により平成の初め、解体され日本民家園へ移築されました。
この跡に建つデザイン性の高いマンションは近隣にないレベルで
門からの出入り自由のアプローチなど、現オーナーの意識の高さを
感じさせ物件の価値を上げています。当代の原さんは知り合いなので
いつか計画のコンセプトを聞いてみたく思います。
日本民家園の旧原家
テーマ名
ページ作成日 2020-05-01