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2025-02-25
千葉県佐倉市にある川村記念美術館が3月末で休館する、
という記事を昨年末に読んで、その前にぜひ一度行きたいと
思いました。何故ならここには、モネやルノワール等の
印象派の作品もある!と書かれていたからです。
運営するのは株式会社DIC(旧大日本インキ化学)で、
創業家3代が集めた作品を中心に社会貢献活動の一環と
して1990年に総合研究所の敷地内に開館したとのこと。
会社創業は1908年、川村喜十郎が印刷インキの工場を
東京・本所(現墨田区)で開業。その後オフセット印刷の
インキの製造・販売にいち早く乗り出し、1919年には海外
にも進出、現在は印刷インキでは世界シェアNo.1に。
絵画の収集は、2代目がルノワールなどの印象派、3代目が
カンディンスキーなどの現代美術を集めたそうです。
ルノワール
モ ネ
カンディンスキー
ウォーホル
高速道路を降りて、美術館の駐車場へ向かうとかなり広いの
にもかかわらず空きがなく、やっと停められました。まず
この混みようにビックリ!なぜ千葉の美術館がこんなに…。
係の人に聞くと、新聞記事が出てから来場者が5倍位になって
それで閉館予定を1月末から3月末に延期。しかしDICは連結
収益が400億円の赤字のため、「企業の社会的責任は美術品を見る
機会を千葉で提供することではなく、配当として富を再分配する
こと」という論理で、場所を都内に移転した上、作品を売却して
少なくも100億円程度の収入を見込むとのこと。
この美術館の素晴らしいところは、展示のアート作品だけでは
なく、3万坪という庭園の自然環境。水辺には白鳥がたわむれ、
広場のヘンリー・ムーアの彫刻の周りを子供たちが駆け回る
風景がもう見られなくなる…。地元の人の声が届くことを祈ります。
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ページ作成日 2025-02-25
2024-09-23
南青山にある「メゾン・ド・・ミュゼ」は“美術の館”という
名のレストランで、渋谷区の有形文化財に登録されるほどの歴史
を誇り、この度内部を見学して昼食を頂くチャンスがありました。
この洋館は大正7年(1918年)にたばこで財を成した
千葉家の3代目常五郎のために父親が建てたもので
RC造地下1階、地上2階で施工は竹中工務店。
大正時代の男爵一家が住んだ優雅な邸宅は、その後
所有者が変わり、1981年から会員制クラブとして開業、
その後ハウスレストランとして現在に至っています。
そしてここは、アールデコの芸術家・エルテの作品が
随所に置かれ、ニューヨーク・メトロポリタン美術館の
120作品より多くを所有する世界一のコレクションとのこと。
調べると彼はロシア生まれのフランス人で、第一次大戦後
アメリカ・ハリウッドに招かれ、映画のセットや衣装
デザインを皮切りに、バレーやオペラまで手を広げました。
まず私たちは会員のみ利用できるラウンジに集合したあと
そこから最上階の屋根裏部屋へ。木造の小屋組みの下で
エルテのブロンズ像などを眺めながら談笑するスペースです。
次は地下1階に。ここはかつて屋内プールだったところで
現在は一般のお客も利用できるバーになっています。
この部屋も多くのエルデの作品と、赤と青を基調にした
カラーリングのモダンな空間がマッチしていました。
見学が終って1階のレストランへ。中庭を眺めながらの
フレンチのコースをゆったりと堪能。100年を超える洋館での
アート鑑賞、ランチというのはなかなか得難い経験です。
テーマ名
ページ作成日 2024-09-23
2024-08-25
今年のお盆休みは遠出せず、都内をぶらぶら歩き。
その一つが「赤坂プリンス クラシックハウス」での
ディナーが付いた見学会でした。
この建物は、以前赤坂プリンスホテルの「旧館」と呼ばれ
隣には丹下健三の設計で1983年にできた40階建ての「新館」
があり、小泉純一郎氏が現役の時は旧館で毎月朝食会を行い、
私も時々参加したので、この建物には馴染みがあります。
1983年築の「新館」
さて新館の「赤プリ」は2011年に営業を終了して、まだ
30年経たない建物の解体が始まったのです。私はその時
何ともったいないことをするのだろう、と思いました。
その跡地には2つの高層ビルが建築され、一つは29階まで
商業施設とオフィス、30~36階がホテルの「紀尾井タワー」
もう一つは24階建ての高級賃貸「紀尾井レジデンス」です。
紀尾井町タワー
紀尾井レジデンス(左側)
幸い旧館は「赤坂プリンス クラシックハウス」として残り、
説明会でこの建物が1930年に旧朝鮮王室の李王家の東京邸
として建てられたことを初めて知りました。RC造2階建て
中世イギリスの住宅をイメージさせるチューダー様式を基調
とする設計は旧宮内庁によるもの。
戦後これを改装して1955年、客室35室の赤坂プリンスホテル
が開館したのです。この建物は2011年に東京都の有形文化財
に指定されて、再開発計画の中で保存が決まりました。
そして2棟のビル工事のため建物を南東方向に44m曳き家して、
あとから増築された部分を撤去してベランダを設け、創建当時の
姿を復元させ、さらに再活用のためバンケット部分を増築。
90年を超えた旧李王家の邸宅、赤坂プリンスホテルの
原形をゆっくりと体験できる形になったのは、築30年で
疑問もなく解体する今の日本ではとても貴重です。
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ページ作成日 2024-08-25
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