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2023-09-25
先週、ミュージカル「生きる」を鑑賞しました。
この原作は1952年に公開された同名の黒澤明の監督
による映画です。私は50年近く前に観ていますが
とても感激し、私の黒沢映画のベスト3に入ります。
映画「生きる」のラストシーン
上演は初台駅からすぐの新国立劇場。日本の伝統芸能の
公演は国立劇場がすぐ思い浮かびますが、オペラやバレー
演劇という舞台芸術のための劇場を、という要望が国を
動かして国立劇場から約30年遅れて1997年にオープン。
その候補地選びは難航したそうで、明治時代にできた
初台の東京工業試験場が茨城県つくば市に移転することに
なりその跡地に決定。建設に先立ち国際設計コンペが行われ
200以上の応募作品の中から、当時竹中工務店の設計部
にいた柳沢孝彦氏の案が当選したとのこと。
私は黒沢映画を果たしてミュージカル化出来るのか?と
少し疑問を持ちましたが、舞台を見て納得しました。
黒沢監督の映画では少ない現代劇で、舞台は主人公の自宅
と役所と公園予定地、そして夜の酒場のみで、役所勤めの
定年間近の課長が、当時は不治の病の胃がんになって目覚め
余命を本当に市民のために捧げるというストーリーです。
映画で主人公を演じた志村喬は黒沢映画に欠かせない存在で
1948年「酔いどれ天使」で主役に抜擢されたあと、「生きる」
の2年後の「七人の侍」では三船敏郎と共に志村喬の演技が
“世界の黒沢”と呼ばれる原動力になったとことは間違いありません。
黒澤明は生涯30本の映画を監督しましたが、志村喬は
その内の21本に出演。黒沢ファンの私も5,6本はまだ観てない
ので、これを機に全作品をじっくり鑑賞することにします。
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ページ作成日 2023-09-25