お客様インタビュー共和化学株式会社 関根 英司様
限界だった旧工場
川崎市内で、高津区は川崎区に次いで工場の多い地域です。
その中心の一つ下野毛に、2019年5月、共和化学株式会社下野毛1丁目工場が竣工しました。
「地域になじみ、働きやすくて、人にやさしいファクトリーを目指します」という関根英司社長に完成までの経緯を伺いました。
関根社長は2007年4月に共和化学二代目の代表取締役に就任しました。
「お取引先様、製品の種類、従業員確保など、すべてにおいてこれまでと全く異なる環境は新しい体験であり、いろいろ勉強しました。そんな中、築50年を経た工場は、生産性、作業環境の安全確保という点ですでに限界であり、代表として製造業に適した土地の確保と新工場の建設計画を進めていきました」
働きやすさを求めて
2011年から始めた土地の選定は難航しました。「2014年に銀行からジェクトさんを紹介していただき、気になる土地が出ると、その都度、設計について相談してきました」。
納得できる土地が見つかったのは2017年。工場のすべてを知る関根社長は、「安全性と生産性の二つを確保できるレイアウト」の実現を目指して、自らエクセルを駆使しレイアウト図を描いていきました。ジェクトの設計担当から法的規制などの専門的なアドバイスを受け、約3ヵ月でプランを完成させました。
工場の周辺には住宅地が控えます。地域に配慮した工場とはどうあるべきか、関根社長は愛犬との散歩の道すがら近辺を観察、“理想のファクトリー”を頭に描きこんでいきました。外観のグレー色は濃淡にこだわり、3階まで続く外階段の差し色は鮮やかなブルー。工場のシャープさを表現しながら、周囲に程よく溶け込んだデザインとなりました。
「作業をする人の安全面、生産性アップを考えた機械の最適なレイアウトと動線、貴重な金型の保管場所の確保、地域へ配慮した防音など、理想の作業環境を実現できたと思いました。しかし、いざ使ってみると気になる場所も出てきました。そのたびにジェクトさんに相談するのですが、素早く丁寧に対応してくれる頼もしい存在です」。
いつまでも安全な工場で
「社長就任から12年、社員はもちろんお取引先様など、さまざまなつながりをより強くしていきたいです。『ものづくり』『地域社会との調和』『働き方改革』の3つを実現して、50年、100年後に繋げていける会社にしたいと考えます。昨年の風水害で安全な土地というのはどこにもないとの思いを強くしました。だからこそBCP(事業継続計画)など、次はどうすべきか考えているところです」と、関根社長の目はすでに未来へ向けられています。