市川社長のブログ
うめこみち
- 2012年1月31日 08:21
京急線の梅屋敷駅から徒歩7分のところにある築60年の
木造アパートと駐車場を、ブルースタジオがプロデュースして
アパートをメゾネットに改修、さらに2棟の木造賃貸を新築した
「うめこみち」が完成し、昨日その見学会がありました。
新築した建物のDK
その敷地の裏側には大家さんが昔からから住んでおり
敷地の南にある賃貸マンションを含めて歴史の異なる
一団の建物郡が囲む中庭を、ここに暮らす人々の
コミュニケーションの場にする計画です。先週は
工事が終了したので近所の人を集めて、ここで餅つきを
行ったそうで、人々との交流は入居者に限りません。
蒲田の梅は広重の名画によっても知られ、ブルースタジオ
大島専務は「東海道の江戸への入り口でもある当地は昔から
旅人への『おもてなし』の心があった」と説明しました。
南側の賃貸マンションは1階の廊下のコンクリートの
手摺を撤去して、板張りの通路で他の建物とつなげて
中庭に広がりと一体感を出すようにしています。
改修前のアパート
計画を進める過程で古い建物の写真が見つかり
元々あったアパートは、以前は母屋の一部だったことが
分かり、60年前に今の建て主の曾おじいさんが
曳き家をしてそのアパートを建てたのでした。
大島専務は「在来工法の木造は、増築、減築、曳き家など
家具を扱うように自由自在なところが魅力だ」と語りました。
メゾネットの間取りは1階がDK、2階が居室で
仕切りの壁が少なくオープンな空間が広がり、出入口も
玄関風なものはなく、中庭とのつながり重視した
開放的なものになっています。
むかし縁側で近所の人と交流したことに回帰するように
いまは建てる側が人々とのコミュニケーションを中心
コンセプトに据えることが一つのトレンドになってきていることを
「うめこみち」は証明しています。
ブラームスの小径
- 2012年1月30日 09:13
原宿駅の竹下口を降り、駅前の信号待ちをしながら
反対側の竹下通りを眺めるとまさに黒山の人だかり。
表参道の方へは時々行ってもこちらは久しぶりです。
この竹下通りを下って一つ目の細い路地を右入ると、
今までの喧騒が嘘のような静けさと雰囲気のある建物が
軒を連ね、「ブラームスの小径」と呼ばれています。
元々そこは明治神宮の池の湧水が流れ込んでいる
小川だったのが暗渠になって小径が出来たそうです。
外苑前の銀杏並木の脇のレストラン「カフェ・スペーラ」
で毎月行われていたブレーンサービス・フォーラムが
昨年末でこのお店が閉店になったため、開催場所が
この小径にある「ジャルダン・ド・ルセーヌ」に変りました。
道路から階段を上がると正にヨーロッパの邸宅を
思わせる建物があり、中に入って聞くとこちらは
1号館でフォーラムは道路の向かいの2号館とのこと。
2号館の1階は客席の奥にフルコンサートのグランド
ピアノがあり演奏が時折あるようです。私は2階に上がり
待合コーナーで参加メンバーに挨拶をしたあと、向かいの
クラシックな調度品のある部屋で、評論家・荒和雄さんの
「混迷・閉塞感時代を打ち破る提言」フォーラムに参加。
財政改革がままならない日本の将来に黄色信号が灯るいま
チャレンジ精神が萎えてくるような社会システムを打破する
ことが我々の責任、と結び講義は終了しました。
その後はフレンチのディナーで、シュバリエ勲章を
フランスから送られたという山岸総料理長が挨拶に。
東京の面白いところは「若者の町」というイメージの
原宿でも一歩入ると、一時代前のパリにタイムスリップ
したような街路や建物が何気なく出現するところです。
100年企業探求会
- 2012年1月23日 20:17
私は昨年末より「創新塾」という経営セミナーを受講し
始めましたが、その中に創業100年以上の企業レポートが
あります。私が参加したのは創新塾の74期で、70,71,72期の
合同の100年企業探求会が先週開催されました。3つの
グループがそれぞれ訪問した長寿企業のプレゼンテーションを行い
最後に参加者が投票をして優劣をつけるのです。
まず初めの企業は創業143年の「丸う田代」です。
ここは「かまぼこ御三家」と言われる鈴廣、籠清(かごせい)
に次ぐ企業で、特徴は正月用かまぼこに代表されるような
高級品のみを扱っていて、四代目が昭和40年代に売上げを
伸ばしましたが、バブル崩壊後リストラクチャリングを行い
現在でも高収益体質を維持しています。
次は創業117年の日本橋の「タナチョー」というガラスや
サッシを扱う建材会社です。ここの社是は「商根一徹」で
社会に必要とされる財・サービスを提供、販売することにより
結果として利益をいただく、という考え方です。
創業は長崎ですが、戦後本社を東京に移し、オイルショックや
バブル崩壊の波を乗り越えて現在に至っています。
最後は創業明治2年「キムラヤのパン」木村屋総本店です。
五代目が中興の祖といわれ、現在の銀座のビルを建設。
あんぱんの味は明治天皇に献上したものと今でも変わらず
またパン文化が広まるよう製法特許は取らなかったとのこと。
七代目の現社長は大変謙虚な方で、訪問メンバーに慎ましやかに
対応してくれたことが印象的だったそうです。
3グループ終了後、投票が行われ、ニュースショー形式で
独特のプレゼンを行った2番目のグループが優勝しました。
さて当社はあと8年で創業100年を迎えます。少子化の中で
これからの建設・不動産業界は更に厳しい環境が予想されますが
住宅が無くなるわけではありません。勝者は常に存在し
私たちはの仲間に入れるのか?それはそのことを強く願い
この地域で他社を全く寄せ付けない品質、サービスを実現させる
より方法はないと確信しています。
ERA新春セミナー
- 2012年1月16日 11:51
毎年恒例のERAの新春経営トップセミナーが
先週開催されました。まず安藤社長から国内外の
不動産市況について話があり、まずアメリカは
住宅問題が底を打ち、いま上昇傾向にあるそうです。
国内の状況は「二極化」つまり住宅立地や都市と地方の
地域間格差がさらに広がること。また賃貸住宅は供給が
需要を上回る一方、積極的賃貸派も増えており、安定経営の
ためには、仲介業から管理業に移行する必要があること。
また昨年のリフォーム市場は約6兆円で前年並みで
政府には中古ストックビジネスの支援の動きがあり
売買仲介とリフォームを結びつける「リニューアル仲介」
という新サービスをERAでは始めるとのことでした。
次は牧野知弘氏(オフィス牧野代表)の講演です。
今年は復興需要が本格化し、内需拡大に好影響が出る
また消費増税前の駆け込み需要が顕在化して明るい
要素が見られる。人口減少で賃貸建物は激戦になり今後は
顧客のセグメンテーションとプロモーションが鍵となること。
また液晶テレビの価格下落を例にとり需要の増加に
頼ってきた商品はすべて「コモディティ(汎用品)」になり
価格競争による消耗戦になるので、これから抜け出すには
顧客にとって「唯一無二のスペシャルな商品」を提供し
「ブランド化」していくしかない、と説きました。
これを「町の不動産屋」の立場で考えると何なのか?それは
すべてのステークスホルダー(売主・買主・利用者)に関わる
オーダーメイドのコンシェルジュとなり、町・建物そして文化を
いかにバリューアップするか・・・「町を育てて果実をとる」
戦略への転換が必要、と力説して終わりました。
これは当社の進むべき方向そのものであり、それを具現化
できるかどうかに、大袈裟ではなく当社の将来の浮沈が
かかっていると深く感じました。
年末の引き渡し
- 2011年12月29日 18:44
今年も終わりに近い12月の22,23,24日と続けて
3棟の木造建物が完成し、引き渡しがありました。
まず22日は当社でいま"売れ筋"のメゾネット賃貸の
「SKメゾネット」。2LDK5戸は完成の1か月前には
全戸申し込みが入りました。武蔵新城駅から徒歩5分という
立地もありますが、メゾネット賃貸の人気を示しています。
この建物は当社不動産部の管理なのでホッとしています。
先日オーナーにいろいろとお話を聞かせていただき、内容は
来月号の「ジェクトニュース」に掲載される予定です。
23日は日野市のK邸の引き渡し。こちらは専用住宅に
メゾネットの2LDKが賃貸として1戸併設されています。
2台分の地下ガレージは道路に勾配がついているので
施工上特に気を使いました。外壁はサイディングの貼り分けが
とてもうまくいき、パースのイメージをかなり上まわるものでした。
また耐震性や省エネなど長期優良住宅の要件を満たす設計で
住宅エコポイントの対象になり、ローン減税も受けられます。
24日はM邸で設計はspace fabricの東信洋さん。今月初め
川崎から南武線に乗って向河原駅を過ぎたあたりで、夕暮れの
なかに開口部から光が漏れている斬新な住宅にふと気が付き
よく見るとそれがM邸だったのです。
2階のLDK回りは壁面がガラスで、モダンでオープンな
空間となっています。また3階のブルーが印象的な子供部屋は
東さんの勧めでご家族が施工に参加、皆さんで壁を塗りました。
当社の建物は鉄筋コンクリート造が主体ですが、今後木造の
比率を増やしていきたいと思っています。
木造は当然ながらRC造より工事費が安く、在来工法であれば
増改築も容易で、賃貸では構造の違いによる賃料の差は小さく
木造の方が収支の利回りも良くなるからです。また建築家との
コラボレーションにも来年は力を入れていくつもりです。
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