- 2016年10月21日 14:49
川崎市役所の本庁舎の「さよならイベント」のことを
新聞で知り日曜日に行きましたが、もう今年の2月に
すべての部署が移転して今まで閉鎖されていたのでした。
昭和13年に竣工したこの庁舎は、数年前に耐震性から
建て替え計画が浮上し、市民の意見を求める期間があり
私は「戦前に建築された庁舎は市民の誇りであり、次世代に
継承させるべき」との意見を提出しました。しかしそのような
意見は私の1通だけ(記事参照)で、高層ビルへの
建て替えが決定しました。
まず正面玄関ですが、ここがもっと広くて吹き抜けがある
立派なホールだったら、文化財指定もあったのではと思います。
設計者が事務所建築としてそこまで考えなかったのは残念です。
中2階に渡り廊下があり、そこで本庁舎の歴史等が展示
されていました。そこを渡った北館には建築関係の部署が
集まっていて、よく仕事で行ったことを思い出しました。
中央階段を2階に上がると正面が市長室。福田さんが
市長に就任したあと、支援者が集まり昼食を取ったのは
もう2年半前のことです。
また講堂ではジャズコンサートが開かれていました。
ここは元の市議会議場としてはちょっと狭い気がしますが
昭和13年の川崎市の人口を調べると約24万人と今の中原区
くらいなので、当時はこれで十分だったのでしょう。
最後に見たのは地下の入札室。元々は道場だったそうで
ここで十数年前に行われたとても大きな官庁工事の入札で
当社が僅かな差で落札したことがあり,思い出深い場所です。
川崎市民でも市庁舎とは縁がない人が大半だと思いますが
私は関わりが多かった方の人間なので、最後に見学できて
良かったと思うと同時に、何とか残す方法がなかったものか
との気持ちを拭いきれずに、見納めに最後の写真を撮りました。
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