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旧朝倉家住宅

  • 2016年8月18日 15:11

代官山駅からすぐのところに大正時代の日本家屋が
残されていることを知り、夏休みを利用して見学してきました。

場所は有名なヒルサイドテラスのすぐ裏で、入館料が
100円とはビックリ!しかも60歳以上のシニアは無料!
所有者が文部科学省だからといってもちょっと安すぎる?

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この建物は東京府議会議長などを歴任した朝倉虎治郎が
大正8年に建てたものですが、財閥や華族の屋敷でもないのに
関東大震災や戦災も逃れて残っている珍しいものです。

玄関を入るとすぐ右の応接間が唯一の洋間で、あとはすべて
畳敷きの和室。廊下のガラス戸のレールが木製なのは珍しく
また開け放った障子から飛び込んでくる木々の緑を見たとき
和風建築の良さ、自然との一体感をとても感じました。


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旧朝倉家 (4).jpg


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中央にある広いスペースは一時経済企画庁が使用していた時に
3つの和室を会議室に改造したもので、文化財に指定されたため
今は元の形に改修することができないそうです。

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元々朝倉家は江戸・享保年間からここに定住し、明治の初め
より精米業を営むようになりました。ヒルサイドテラスが面する
旧山手通りは、もともと昭和初期に朝倉家が作った私道だそうで
しかも当時と今と道幅が変わってないとは驚きで、世の中には
公共心に優れている「無私」の地主さんがいるものです。


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戦後の困難期に朝倉家はこの屋敷を手放し、農林省などに
譲渡されたあと競売にかけられる寸前に、建築家などから保存の
要望書が出され、建物と庭園が建築時の状況をほぼ保っていた
ことも評価されて重要文化財の指定を受けられたので、今の姿が
あることが分かりました。


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         旧 山 手 通 り


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        ヒルサイドテラス A,B棟


その後朝倉家は、残った土地を生かして不動産経営を検討し
建築家の槇文彦との出会いもあり、1969年にヒルサイドテラスの
A、B棟が完成したのでした。都内でも類を見ないハイセンスの
代官山の街並みが、地主一族により形づくられたことにとても
感銘を受けました。街づくりが「お上の専売特許」でない事を示す
稀有な例です。


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        ヒルサイドテラス C棟

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