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2016年1月 Archive
江戸城天守閣
- 2016年1月18日 14:37
ロータリークラブの例会に元県知事の松沢成文氏
(現参議院議員)をお招きしてお話を聞きしました。
当クラブには15年位前に一度来ていただいて以来です。
また私が地区のGSE委員長だったとき、アメリカ・サウス
カロライナ州の来日チーム6名を連れて知事室を訪ねたことがあり
通訳が要らないほどの彼の英語力に私はとても驚きました。
今回案内チラシにも使ったその時の知事を囲む写真のうち
右側の3人はグリーンビル出身のメンバーで、この人口約6万の
小都市は、松沢さんとは師弟関係の福田川崎市長が卒業した
大学の所在地なのです!とても不思議な縁を感じました。
この日のテーマは「甦れ!江戸城天守閣」。実は松沢さんが
江戸城に熱心なのはどうしてなのか、と思っていたら少し前のNHK
ニュースで、天守閣の復元を推進している大学教授などの
話が報道され、彼だけではないことが分かりました。
松沢さんの主張は日本人は歴史を学ばなさすぎる、ということ。
県知事時代には全国で初めて日本史を県立高校の必修科目にしました。
その後東京都も追随、やがて全国の高校で必修科目に。
そして知事時代に知り合った森ビル社長の「経済だけで文化の
ない都市は人を引きつけることはできない」という言葉に出会い
関東大震災や空襲で古いものが残ってない東京と、第2次大戦後
古い写真を持ち出して以前の街並みを復元したヨーロッパの国々
との差を感じたのです。
こう考えると東京の最大のシンボルになり得るのが江戸城。
その天守閣は江戸初期の火災で焼失したままです。これをこれから
観光立国を目指す日本、特に東京の目玉しようということです。
私が感心したのは約400億円の工事費は民間からの寄付で賄う
と彼が言った事です。人に頼るのではなく住民からの募金で
建設し、日本古来の伝統的建築技術も承継できる。これこそ
訪れる多くの外国人に対して私たちが誇れるものになるでしょう。
川奈ホテル
- 2016年1月 5日 21:32
伊豆半島を伊東から少し下ると川奈ホテルがあります。
昨年末に初めて泊りましたが、かつてここのゴルフコースは
宿泊者でないとプレーできない時代がありました。
創設者の大倉喜七郎はケンブリッジ大学留学した時に見た
イギリスの館をとても気に入って、外装は南ヨーロッパ風で
内部は英国の邸宅風なホテルを伊豆の地に建てて、
昭和11年にこれをオープンさせました。
父親の喜八郎は大倉財閥の創始者で、帝国ホテルや
大成建設などの設立に関わった人物ですが、驚いたのは
昭和3年に亡くなった時の相続財産は、当時の国家予算の
8分の1だったそうです。(現在なら約10兆円!)
喜七郎はまた東京に外国人向けの宿泊施設が不足して
いたことから、1962年にはホテルオークラを開業しました。
昨年改築のために解体されましたが、日本の工芸の贅を
尽くしたようなその内装デザインの原点は川奈ホテルに
あるような気がしました。
玄関を入ると正面の大きなロビーラウンジの高い天井は
2階の回廊と繋がり、以前はこの一部がオーケストラボックス
となり、ラウンジが弦楽合奏の響きに包まれていたことが
容易に想像できます。
また海に突き出たようなティーラウンジはとてもゆったり
していて、半円形のガラス張りの外観がリゾートの雰囲気を
とてもよく醸し出しています。
館内ツアーではメインバーの絨毯の下に隠れたモザイクを
見たり、ダイニングでは麻のテーブルクロスを食事ごとに替える
ことや、かつてあった工作室で制作した机や室名表示板が
未だに残されていることが分かりました。
マリリン・モンローがジョー・デイマジオとお忍びで来たり
平成9年には橋本首相とロシア・エリツィン大統領の首脳
会談が行われ、歴史の舞台にも登場します。
私はこのような戦前の建物が現役で存在していることに
驚いたただけでなく、その価値が今でも十分通用し素敵な時間を
過ごせる場所を発見できたことをとても嬉しく思いました。
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