- 2015年5月13日 08:06
フランク・ロイド・ライトの弟子の日本人建築家、
遠藤新が設計した住宅が葉山に残っていて、4月末より
特別公開されることを知り、連休最終日に出かけました。
JR逗子駅からバスで約10分、一色海岸の少し手前で
バスを降り、狭い道を上がって行く坂の途中に「加地邸」
があります。敷地まで車では行けないので、建築資材は
すべて人力で運んだのでしょう。
門から少し小高い敷地を見上げると、まず大谷石で
できた建物の玄関が目に入りますが、この第一印象から
「ライト」そのもの、という感じがします。
住宅の竣工は昭和3年。家具や照明も遠藤新による
デザインで、これらにもライト色が継承されています。
三井物産のロンドン支店長も勤めた加地氏、今もその親族が
所有していますが、今後どのように維持していくのでしょうか。
その後海岸まで歩き、神奈川県立近代美術館・葉山館へ。
高松宮邸跡地にできたこの美術館は、海辺の立地が
素晴らしく、付属のカフェでお茶を飲む気分は最高!
この周辺に人があまり来ていないのは不思議なくらいです。
私は30年近く前に御用邸から少し上がったところで
当時有名だった建築家が設計した住宅を施工したことを
思い出しました。周辺を行ったり来たりして、ついに
特徴ある円錐形の屋根の家を見つけたのです。
表札を確認してインターホンを押すと、ご主人が出てこられ
ました。少し前に外出から帰られた様子で、突然の訪問にも
かかわらず、私と家内を邸内に招き入れてくれました。
斬新な内部空間は年月が過ぎても変わっていません。奥様に
お茶とクッキーまで出していただき、小1時間いろいろなお話が
できました。30年の空白を越えてお客様とのつながりを実感でき
何か満ち足りた気持ちでお宅をあとにしました。
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