- 2013年10月22日 18:08
先週末行われたロータリーの地区大会で
東京理科大学学長の藤嶋昭さんの「未来に輝く
サイエンス」と題する講演を聴きました。
藤嶋さんは東大大学院在学中「光触媒」反応を発見し
近年ノーベル化学賞候補にもなった科学者です。
酸化チタンを使い水に太陽光を当てて酸素と水素が出来る
ことを31才で発見、学会に発表したが酷評され英国の雑誌
「ネイチャー」に取り上げられ、欧米で先に評価されました。
光触媒は汚れを分解する力があり、酸化チタンを塗った
タイルや、ガラスの曇止め効果もあるので車のミラーにも
コーティングされ、交通事故の減少にも貢献しています。
まずアインシュタインの相対性理論から話が始まり
重力によって光が曲がって進むという理論が100年後に
GPS衛星の時計の進みを調整し正しい位置情報を発信
することに応用されているというのは新鮮な驚きでした。
藤嶋さんは子供のために絵本作家カコサトシ氏と共に
「太陽と光しょくばいものがたり」を出版しています。
この作家の「ピラミッド」は4500年前に2.5tの巨石
260万個をどのように削り、運び、積んだかが描かれ
「万里の長城」という絵本もあるそうです。
さらに藤嶋さん自身「世の中ふしぎ400」「子どもと
読みたい科学の本棚」という絵本を出しています。
ファラデーが少年少女に語りかけた「ロウソクの化学」
ガリレオが自作の望遠鏡を見て書いた「星界の報告」等の
紹介があり"科学少年"ならずとも興味を引かれました。
昨年12月藤嶋さんは東京理科大に、子供のための本棚
コーナーを設けました。高名な科学者がここまで
子供たちの能力を伸ばすことに心を傾けていることに
感銘を受け、私自身未来を担う子供たちに出来ることが
何かあるのか自問しました。