- 2013年8月19日 13:07
小笠原伯爵邸。戦前の邸宅を利用した
オープンして11年のスペイン料理のレストラン。
今まで行く機会がなかったのですが、この夏休みを
利用して知人を誘って行ってきました。
地下鉄大江戸線の若松河田駅のエスカレーターを
上がって表通りに背を向けて路地の奥を見ると
青々とした緑が長い塀の内側に見えます。
これがレストランの敷地なら相当あるなと思いながら
近づくと門から玄関が見えてきました。敷地面積は
調べるとやはり3,000㎡(約900坪)あり、竣工当時は
20,000坪もあったそうです。
待合いに通されたところは元々のダイニングルームで
大テーブルは伯爵家で実際に使用していたもの。
それに続く応接間、その奥はシガールームでした。
この部屋は建物から丸く突き出る形になっていて
内外装はイスラム様式のデザインが施されています。
現在は結婚式場としても使われており、中庭に出て
屋上に上がり、そこから2階の親族控室に入りました。
この建物は私が想像していたより大きく立派でした。
ここは旧小倉藩藩主の小笠原長幹伯爵の邸宅として
昭和2年に鉄筋コンクリート造で建てられたものが
戦後米軍に接収され、返還後は昭和50年まで東京都の
中央児童相談所として利用されたのですが、その後
放置され一時は取り壊しも検討されたそうです。
そして2000年に都が民間に10年無償で貸し出して、借主が
修繕工事を行い都民が広く利用できる施設を運営するという
条件で公募をしてある会社に決定、2年の修復期間を経て
2002年に「レストラン小笠原伯爵邸」として復活したのです。
ステンドグラスや陶磁器を使った外壁はわずかに残されていた
写真を参考に一つ一つのパーツを完全修復。民間のノウハウと
資金を利用してこの歴史的な建物を再生させたのは民活のお手本
であり、このように民間の力をもっと利用していれば既に姿を消した
名建築もまだその姿を留めていたのでしょうか?
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