- 2012年10月16日 13:07
2つ目は「オペラの殿堂」ウィーン国立歌劇場の
公演でリヒャルト・シュトラウス作曲の「サロメ」。
会場は「クラシック音楽の殿堂」東京文化会館。
ここでコンサートを聴くのは20年ぶりくらいです。
1961年にできた前川國男設計によるこのホールを
久しぶりに訪れて、建物の威厳に打たれました。
上野駅の公園口を下りるとすぐ目に飛び込む
空に向って大きく反ったコンクリート打ち放しの庇を
列柱が支えている外観は圧倒的な存在感です。
大ホールのホワイエに入ると右側のレストランの
スペースが以前より広がっていました。
左側の緩やかな大きな階段を下っていく客席への
アプローチはとてもドラマチックな感じです。
中に入ると両袖の壁に付けられた不思議な形の
反響板が強烈な印象で、3階席から六角形になっている
客席全体を見渡すと、そこは別世界のような雰囲気です。
オペラ自体が非日常的で、それを東京のど真ん中で
違和感なく楽しむのには、このような「入れ物」が必要な
ことが分かりました。それを50年以上前に設計した
前川國男という人は素晴らしい建築家です。
さて演目の「サロメ」の舞台は1世紀、主人公は古代
パレスチナに実在したとされる王女で、恋をした預言者の
首を王様に所望する、というかなり刺激的な物語です。
私は海外の歌劇場の来日公演を見るのはこれが初めてで
日本語字幕が壁に現れるので助かりました。
100年前に作曲された2000年前の物語を、ウィーンを
代表する歌劇団が演じるオペラ・・・このような非日常の
世界を身近に体験できることの幸せを感じました。
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