- 2011年8月22日 19:53
六本木に国立新美術館ができたのは2007年ですが
今までなかなか行く機会がなく、この夏休みを利用して
ワシントン・ナショナル・ギャラリー展を開催中の
美術館を初めて訪れました。
ここができる前、各美術団体が展覧会を行うとき利用できる
大きな会場は上野の東京都美術館だけで展示スペースが
足りなかった、のいうのが新美術館誕生のきっかけとのこと。
東京ミッドタウンの高層ビル群を過ぎたあたりで 約3万㎡という広大な敷地は東大生産技術研究所の跡地で
したがって基本的にはこの美術館独自の収蔵品はなく
今回のような企画展と貸し会場に特化した施設なのです。
全体の設計デザインは黒川紀章で、黒川氏は美術館が
開館した年の都知事選と参議院に出た後に急逝しました。
外苑東通りを左折すると間もなく右側に入口が見えてきます。
歴史をひも解くと、研究所の建物は陸軍歩兵第三連隊の
兵舎をそのまま使用していて、昭和11年の2.26事件では
連隊の青年将校たちがここで決起したそうです。
入口に立つと大きな曲線を描くカーテンウォールがまず
目に飛び込んできます。建物の周囲に残された大きな樹木が
風でそよぐイメージかも知れません。内部の広い吹き抜けと
コンクリート打放しの逆三角錐の壁面がデザインの象徴です。
さて企画展の方はモネ、ドガ、ルノワール、セザンヌなど
印象派の巨匠の絵画が100点近く集められこれは期待以上でした。
入館時に写真OKの表示があったので、日本もやっと欧米並みに
美術を腫れ物にさわるように扱うのを改めるのか、と思ったら
OKなのは展示室以外ということで本当にガッガリ。
また各フロアには性格の異なった食事処があり、3階は
フランスの三ツ星レストランが自国以外で初めて出した店で(写真上)
2000円のランチが人気なのか、かなり行列ができていました。
いずれにしても美術愛好家には外せないスポットであることは
間違いありません。