- 2011年3月12日 17:00
ロータリーの米山記念奨学生の中国・瀋陽から来ている
孫 顥君の1年の奨学金の受給期間がこの3月で終了し
先日のロータリークラブの例会で最後のスピーチをしました。
日本に留学するようになった動機は、半分は両親の希望で
半分は小さい頃から親しんでいた日本のマンガの影響だそうです。
日本語は高校3年間勉強し日本語能力検定1級がビザ発給の条件です。
日本での学費は約8万元で、両親の給与が月2,000元なので
約3年分ということになります。これがアメリカ留学だと日本の
2,3倍かかるので、よほど親が裕福でないと無理のようです。
来日して最初は京都の語学学校に通いながら、大学入試の勉強を
半年間して5校の国立大学を受験しましたが、日本の受験生は
1校しか受験できないことに同情していました。
そして東京工大に見事に合格。東大も受けたのですが失敗。
ちなみに彼の高校から東大に受かるには学年でベスト3以内で
なければならず、孫君は15番くらいだったそうです。
ビル掃除や皿洗いから始めたアルバイトは、現在では
彼の専門のプログラミングで時給2,000円をもらっています。
東京工大の大学院を3月に卒業後、国立情報学研究所へ行き
さらに研究生活を続けるのですが、日本の良いところを聞くと
安全で交通の便がよいことで、友達も多いとのことでした。
食べ物にもすっかり慣れ、中国に帰ると水が違うので3日で
お腹をこわすこともあるとか・・・
今後の展望について、大学のポストは希望する人が多く
教授にはなれない。民間会社は外国人はせいぜい部長止りなので
自分の強みを生かしたビズネスを始めたいという夢があります。
聞いて驚いたのは中国で起業する場合、色々な補助金制度があり
日本より仕事を立ち上げやすいということ。これでは日本が
中国にGDPで抜かされるのも当然ということでしょうか。
米山奨学制度はただお金を頂くだけではなく、月に1度は
ロータリーの例会に出席して、色々な人の話か聞けるので為になり
本当に皆さんに感謝している、と締めくくりました。
孫君は人当たりがよく、ユーモアを交えた話し方など同年代の
日本の学生と比べても優れている、というのが私の感想です。
今後、日本と中国の懸け橋になるようなビジネスを起こして
大きく羽ばたいてほしいと願っています。