- 2010年6月14日 12:51
島根県。72万の人口は全国最少の鳥取県の次で
松江市は県庁所在地のある都市では一番人口が少ない19万人。
人口密度は、神奈川県の約37分の1という人口過疎の地域で
素晴らしい経営をしている建設会社があり訪問しました。
その会社は島根県出雲市の出雲土建株式会社で
現在は公共事業の土木の売上げの方が主ですが
ここ数年、独特の方法で民間の建築受注を伸ばしています。
それは「炭の家」の賃貸マンションの提案営業です。
2002年に、解体した木材を原料にして、湿度を調節する木炭の工場を作り
袋に詰めた「炭八」の販売を開始したところからこの取り組みが始まりました。
これをアトピーの子供がいる住宅の床下に敷き詰め
島根大学医学部との共同研究で7人中6人が直るという成果を得ました。
このことがNHKでも放映され「炭の家」の名前が地元に
徐々にクチコミで浸透して行ったのです。
次にこれをマンションの天井裏に敷き詰めた部屋と
入れてない部屋の温度・湿度を何年も測定した(写真上)結果
カビやダニ等の発生が抑えられることが分かり、「炭の家」は
キャンセル待ちも出る高稼働率の賃貸マンションになりました。
これを提案するお客様はある一定以上の資産家に限定します。
なぜなら単なる建築の営業ではなく、地主の相続対策の一環として
この「炭の家」の賃貸事業を提案するからです。
私たちは1年前にシロアリが発生して「炭八」を床下に敷いた(写真上)
お宅を訪れました。シロアリがいなくなったばかりでなく
「何となく夏ジメジメしていた感じが無くなった」と
そこの奥様は私たちに話してくれました。
製造工場は出雲の市街地を見下ろす高台にあります。
まず廃材をチップにリサイクルし、それを炭化炉(炭焼き釜)に
入れると1時間で120袋の「炭八」が出来上がりますが
とても建設会社の施設とは思えない規模のものです。
工場を見学して、会社の方向を公共事業から民間建築に転換するため
約6億を投資してこの施設を建設した石飛社長の並々ならぬ熱意と
「趣味は経営」と言い切り四六時中、仕事ののアイデアを考えている姿勢に触れ
建設業の差別化とはこういうことなのだと得心しました。
(社長)
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