- 2009年11月29日 18:07
先日、日本銀行本店と貨幣博物館を見学する機会が
ありました。重要文化財に指定されている日銀の本館は
地上3階、地下1階の石積み煉瓦造りで明治29年の完成です。
日銀は明治15年に現在の日本橋箱崎町で開業しましたが
手狭になり、もともと江戸時代に小判などの金貨を鋳造していた
「金座」の跡地だった現在の敷地を購入したそうです。
設計者は東京駅の駅舎などの設計をした辰野金吾で
海外視察をしたあと、ベルギーの中央銀行をモデルに
ネオバロック様式の建物を計画しました。
「日銀」と聞くとすぐ紙幣の印刷と連想してしまいますが
本来の使命は「物価安定のための金融政策を行なうこと」だそうで
毎日金融機関との国債などの売買を通して
世の中に出回る資金や金利を調整しています。
確かにインフレ(物価が上がりお金の価値が下がる)でも
デフレ(物価が下がりお金が使われず不景気になる)でも
私たちの生活は苦しいものになり、その安定が第一目的なのです。
2階廊下には歴代の日銀総裁のいかめしい肖像画が掛けてあります。
中には小磯良平のような著名な画家によるものもありましたが
少し前から世相を反映して?予算の関係で作成は中止、白川さんのはありません。
お土産に古いお札を裁断したチップをもらいましたが
1万円札が4~5年、千円札が1,2年で回収することを聞き
お金の流通の激しさに驚きました。
向かいの貨幣博物館では、奈良時代の「和同開珎」から
現代までの変遷が学べます。16世紀までは中国銭が多く流通し
特に粗悪なものを鐚(びた)銭と呼んだそうです。
「びた1文、まけられない」がここから来ているとは知りませんでした。
また秀吉が作らせた「天正大判」は現在3000万円はするとのこと。
何となく遠い存在だった日銀が身近に感じた一日でした。
(社長)
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