- 2009年8月25日 16:26
六本木の交差点から麻布方面に向かい
ロアビルを右折して鳥居坂に入ると一転して
表通りの喧騒がウソのような閑静な地域に変ります。
東洋英和女学院を通り過ぎ、左手に当社で昨年リニューアルの
工事をさせていただいた鳥居坂ビル(写真下)があり
そのすぐ右側に位置するのが国際文化会館です。
お盆休みに都内に車で出かけた折に
ファミレス以外に駐車場があってランチが気軽に取れる
ところを探して見つけたのがこの会館でした。
ここは30年くらい前に結婚披露パーティーがあり
一度来たことがあって、そのとき都心にもかかわらず
落ち着いた環境と建物の雰囲気が強く印象に残りました。
もともとは多度津藩(現香川県丸亀市)の江戸屋敷跡で
戦後は国有地となっていたものを国際文化会館が払い下げを受け
現在の建物は1955年に建てられたものです。
この建物の設計は、何と前川國男、坂倉準三、吉村順三という
日本の建築家の巨匠、三氏の共同設計なのです。今では
到底考えられないような組合せが戦後の復興期にはあったのですね。
また3,000坪の回遊式の日本庭園は、昭和5年当時に
所有者だった岩崎小彌太が、京都の名造園家に依頼した
江戸初期の名残を留めるような庭園で、本館の深い庇や
回廊風の手摺などの和風モダニズムにたいへん調和しています。
私が何より嬉しかったのは、2005年に耐震補強を含む
全面的な改修が、もとのデザインを損なわれない形で行なわれ
建築された当時のものが再生保存されたということです。
昭和の名建築がいとも簡単に壊され建て替えられる昨今
三巨匠の設計したこの都心の一等地に建つ由緒ある会館を
いつでも私たちが利用できるということは本当に幸せなことです。
(社長)