- 2009年7月22日 08:07
先週末から今週にかけて用事で
日本橋へ何回か足を運びました。
2つのデパートと日本舞踊の浴衣ざらいを見るためです。
日本橋というと商業の中心地というイメージですが
ビル郡の中の思わぬ一角に小さな席亭があって
何かほっとさせるものがありました。
デパートの老舗といえばやはり三越。
1673年にできた間口9尺の呉服店「越後屋」がその発祥で
1914年には日本で初めて「デパート」として営業を始めました。
エスカレーターの設置も日本初で、今の建物はその後増築し
1935年(昭和10年)に完成したものです。(写真下)
これに対し高島屋は1831年の京都の木綿商が始まりで
今の日本橋店の建物は1933年の建築です。(写真下)
現在の売上は約8,400億円と三越を凌いでおり
1969年(昭和44年)には日本初の郊外型デパート
玉川高島屋を開店させました。田園都市線が溝口から
長津田まで延長されたのが1966年なので
高島屋の先見性を感じさせます。
三越の並びには1929年完成の重厚なコリント式の三井本館
その隣は再開発されて39階の三井タワーができ(写真下)
30階以上はマンダリンオリエンタルホテルが入り
雰囲気が少し「丸の内風」になったような気がします。
日本橋が初めて架けられたのは1603年の木造橋で
広重の浮世絵でも有名です。当時この界隈は多くの店が
軒を連ね、江戸でも最も賑わいのある場所だったのでしょう。
今は橋の上を走る高速道路で風景が切り取られ
その面影もないのは残念と言うほかありません。
道路を撤去すると5000億かかるそうですが
道路を作るときに江戸・東京の原点ともいうべき
風景の保存を考えた人は誰もいなかったのでしょうか。
(社長)