- 2009年6月26日 21:29
先日、NHKの「日曜美術館」でアメリカ人建築家
ウィリアム・ヴォーリズが取り上げられていました。
1905年に来日したヴォーリズは、滋賀県近江八幡で
伝道活動を続けながら、日本で好きだった建築の道に進みました。
また近江兄弟社を設立してメンソレータムを販売するなど
実業家としても活躍したそうです。
新橋の汐留ミュージアムで「ヴォーリズ展」を
やっていることを知り、先週そこを訪れました。
パナソニックのリビングショールームの4階が
ミュージアムになっていて、ルオーの作品が
常設展示されています。
ヴォーリズの作品では神戸女学院や関西学院などの
コロニアル・スタイルのミッション・スクールが有名ですが
個人住宅も何と500棟以上も設計をしたそうです。
展覧会を見て驚いたのが大正や昭和初期に建てられた
学校や教会や住宅が関西にはまだかなり残っていることです。
東京では六本木の東洋英和の校舎もヴォーリズの設計でしたが
もう15年位前に取り壊されて建替えられました。
神戸女学院(昭和8年)
以前イギリスのロンドンに行ったとき、向こうの住宅は
築100年を超えると初めて「古い」住宅と言われる
ということを聞いて考えさせられました。
日本ではまず築40年なら立派に「老朽建物」です。
昨今「老朽化のため建替え」という表現がとても多く
私はこのフレーズを聞くたびに、時間の経過が
建物の価値を増すこともあるのだということが
一方的に切り捨てられている感じを受けます。
都内では御茶ノ水の「山の上ホテル」がヴォーリズの設計で
現存しているので、展覧会のあと行こうとも思いましたが
デザインがモダンで彼の持ち味と少し違うので、次の機会にしました。
(社長)
旧下村邸(昭和7年)