- 2009年2月19日 10:05
先日、井の頭線の渋谷駅の改札を出て
東横線に向かうおうとしたとき
右手一面の巨大壁画が目に飛び込んできました。
あの岡本太郎の「明日への神話」です。
この壁画は大阪万博の「太陽の塔」と同時期に
メキシコで制作が開始され、その後長らく
行方がわからなくなっていたのですが
2003年秋にメキシコシティ郊外で発見されました。
ここに描かれているのは原爆が炸裂する瞬間で
人は残酷な惨劇を乗り越え、その先にこそ
「明日への神話」が生まれるのだ、という
岡本太郎の強いメッセージが込められています。
川崎市と岡本太郎とのつながりは深く
母親で作家のかの子は今の高津区二子の大地主の娘で
太郎は1911年に二子で生を受けます。
1930年、両親とフランスに渡った太郎は
ここで出会ったピカソの絵画に衝撃を受け
以後抽象芸術に道を求めるようになります。
彼は晩年、所蔵している絵画などの主要作品を
川崎市に寄贈し、それを受けて市は1999年に
生田緑地内に「岡本太郎美術館」を建設しました。
最近、市役所第3庁舎1階の小さなガラスケースに
市の下水汚泥の焼却施設にあるという太郎の壁画
「水火清風」の原画がひっそりと収まっているのを
見つけました。
生前、自分の絵画等の売買を許さなかった太郎の作品が
今このように身近に触れることができるのは幸せです。
(社長)