スタッフブログ
愛着
- 2010年7月12日 11:53
- M.N氏の岡目八目
家を建てるとき、それを壊すときのことまで考える人は少ない。
「大工さんにとって新築は大きな仕事にはちがいないが、
それを修理したり、解体することも、
同じかそれ以上に大切な仕事なんだ」。
「自ら手をかけた家が具合悪いとなると
すぐ飛んでゆきたくなるし、自分が生きている間に解体される様は
見たくないと思うと同時に、他人に壊されるくらいなら
自分で解くぞ、思うんだよ」。
「建物には愛着を持って自分の魂を植え付ける気持ちで
仕事に精出している」。
「戦前建てられた古い家の場合、解体、修理工事をしても
ごみはほとんど出なかった。木・土・竹・紙・といった
土にかえる素材でできているからだよな」。
「最近では洋風の家が多いが、昔ながらの和風の家では、
ふすまや障子を外し、すだれ戸などに替えた」。
「風通しを良くするためだ。のれんや座布団も、
麻製品などに取り替えた」。
多摩川土手を散歩していると、梅雨でたっぷりと
湿気をを含んだ草むらからは、独特の匂いが漂ってくる。
草だけでなく土の匂いも一緒だ。
この匂いを嗅ぐと、夏本番を実感する。
何気なく散歩しているとジェクト株式会社の創設者の言葉が
次々と聴こえる。懐かしい教えの言葉だった。
お盆が近づいたので、墓場から「おい、、しっかりやってるか」。
と声をかけられた思いだった。
いわゆる「夏座敷」への衣替えである。
少々の手間は掛かったとしても部屋を夏バージョンにすれば、
五感を通じて涼味はぐんと増す。
エアコンを効かすより地球に優しい。
宮大工
- 2010年7月 7日 15:16
- M.N氏の岡目八目
「最後の宮大工棟梁]と言われた西岡常一(つねかず)さんが
亡くなられて、15年になる。その本を読み返していて
「おやっ」と思うくだりがあった。
宮大工の家に生まれ、法隆寺や薬師寺の
修理、復興を手がけた名匠である。若手への指導は
さぞ厳しいだろうと思ったら、意外にそうではない。
問題があっても人前では絶対に怒ってはならないと
戒める。(「宮大工三代」徳間書店)。
ではどうするか。西岡さんは自ら鉢巻を締め、汗を流して手本を示す。
「こういうふうにやってみい」というわけだ。
「なんぼ上手に文句言うてもあきません。自分からしてみせな」。
鉄材などを頑として拒む一徹な棟梁の、これが若手育成法である。
そういえば、「やってみせ,言ってきかせてさせてみて、ほめてやらねば
人は動かじ」という言葉がある。
旧海軍の山本五十六元帥が語ったと伝えられるが、真偽はわからない。
同じ新潟県出身で、名を成した経済人の遺訓との意見もあるが。
誰が言ったかは別にして、原典は旧米沢藩主上杉鷹山(ようざん)の
座右の銘かもしれないともいわれる。藩政改革で有名な鷹山は
「してみせて、言ってきかせて、させてみる」と言った。
押しつけではなく、目上の者が手本を見せ、意義を説き実践させる。
それが組織を動かす基本だと論じている。
政治家には名棟梁や名君の教えが重くのしかかる。
(M.N)
大工あれこれ
- 2010年7月 6日 08:20
- M.N氏の岡目八目
大工があり小工がある。幕末に高知県吾川郡、土佐郡などで
寺社建築がなされた際に、その棟札に大工何某、小工何某と
記されているそうだ。小工とはもともと奈良・平安時代、
大工の下に属し営作に従事したものだという。
蛇足ながら、大工は専門化されていて、
宮大工、寺大工、屋大工、船大工などがあり、
建具専門職は大工とはいわなかったようだ。
下手な屋大工は、小屋大工(住宅は無理で、非住宅の小屋くらいしか
施工できない者)と蔑まれたという。
また宮大工の入門にあたっては入門書兼契約書として師匠に
「大工壷金之書」(壷は墨壷、金は局尺、さしがね、L字型の物差)
を差し出したものだという。大工修行も大変であったようだ。
隠語もあったという。施主が昼飯を出していたようだが、
「今日のホソは本山杉で付けられたものではなかった」などという。
昼飯は不味くて食えないということ。
「板を削らせて呉れたら」というのは酒を飲ませて欲しいとの
意味だそうだ。施主には全くわからない。
これはジェクト株式会社創立者との会話から教わったもの。
(M.N)
日本代表ありがとう
- 2010年7月 2日 07:35
- M.N氏の岡目八目
ブラジルのペレは「サッカーの神様」
アルゼンチンのマラドーナは「神の子」と呼ばれた。
一流サッカー選手は、人間離れした存在であることを強調する
ニックネームで呼ばれることが多い。
だが、選手は人間だ。
その人間が、才能と努力で自分の可能性を切り開き、
神業のようなプレーを連発するようになる。
人間の無限の可能性に気付かせてくれるから、サッカーに、
すべてのスポーツに、感動があふれている。
自分の可能性を信じて勝負に挑むには勇気が要る。
勇気なくしては可能性も開けない。だから、
勇気を奮い起こして戦いに挑む選手たちの姿は皆、凛々しい。
だから栄光を手にした勝者の姿もまぶしいが、
力を尽くして敗れた勇者の姿もまた美しい。
サッカーW杯決勝トーナメント1回戦でパラグアイに破れ、
ピッチで天を仰ぐ日本代表選手たちの姿もまた美しかった。
PK戦の末の惜敗だ。勝利の女神はパラグアイに微笑んだが、
日本代表も決して負けてはいなかった。
対カメルーン、オランダ、デンマーク、パラグアイ戦。
W杯の大舞台での4試合、ひたすら走り続けた選手たちの姿が、
あざやかによみがえる。
力を尽くした末に迎えた敗北の光景の、
なんと誇らしく感動的であったことか。
選手たちに勇気づけられ、今、多くの人々が、
それぞれのピッチを誇らしげに走り始めていることだろう。
日本代表選手ありがとう。4年後、今度は大輪の花をぜひ見たい。
(M.N)
藍ちゃん
- 2010年6月30日 13:58
- M.N氏の岡目八目
日焼けした155センチの体がでっかく見えた。
女子プロゴルフの宮里藍さんが、ついに世界の頂点に立った。
米女子ゴルフツアーで今季4勝目を挙げ
21日発表の世界ランキングで1位に躍り出た。
男女を通じ、日本人初の快挙である。
ファンの反響の大きさに驚く。藍さんが開設するブログへのコメントが
優勝後の3日間で2000件を超えたそうだ。
「元気のない日本に最高の贈り物」「頑張る姿から勇気をもらった」
などのメッセージが寄せられたようだ。
藍さんは「元気になれたとか、頑張りますという声が多くありましたが
わたしが逆に元気をいただきました。こんな連鎖は何よりも強いパワーです」
とブログに書いた。
4歳でゴルフを始めた藍さん。沖縄から東北高にゴルフ留学した彼女も
25歳を迎えたばかり。ブログではこうも述べている。
「ゴールはここではありません。目標への過程、通過点です」
勝負師は常に前を向く。好きな言葉は
「意志あるところに道はある」だという。
世界を舞台に、着実に道を切り開いている。
ファンの一人として力強く応援したい。
(M.N)
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