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人型ロボット

電話中に目の前で別の人に話し掛けられ、どちらの声も
聞き取れず困ったことがある。同時に複数の人の話を聞くことが
できればいいのだが、一度に二つのことはできない性分だ。

先日、ホンダが発表した人型ロボットASIMO(アシモ)の新型は
同時に複数の人の顔や言葉を認識できるといい、聖徳太子も
びっくりの性能だ。

対向して歩いてくる人の動きを予測してぶつからないように進み、
片足ジャンプも可能。瓶を手に取りふたをひねって開け、手話もできる。

2000年に誕生したアシモ。当時は二足歩行に驚かされながらも、
その動きにロボットらしさを感じた。年々進化し、今は人をも超える
性能を備えた。ロボットが大概のことをこなすようになれば、人は
どうなるのか。

「百のうち九十九まで失敗する。われわれは勝負師ではない。
負けても何が原因で負けたのかを追求することに意義がある」とは
ホンダ創始者・本田宗一郎氏の言葉だ。

アシモも幾多の失敗と追求のたまものだろう。人とロボットの境目が
薄れていくが、たまに失敗するぐらいの愛嬌は残しておいて欲しいと
負け惜しみを言いたくなる。

(M.N)

秋の陣

秋の日を浴びて天高く聳(そびえ)え立つ大阪城天守閣。
その天守閣が復興されて11月7日で80周年を迎えた。
秀吉時代の首都・大阪の歴史をたどるイベントが催しされて
いるそうだ。秀吉が築いた大阪城は、豊臣家繁栄の象徴。
城を中心に城下町・大阪を開き、今日の商都・大阪の礎を築いた。
首都・東京と並ぶ2大都市として日本の発展の一翼を担ってきた。

時代は移り、今、府知事・市長ダブル選が熱く燃えている。
大阪市を解体し「大阪都」構想の実現を目指す橋下前知事、
片や真っ向から反対し「特別自治市」構想を掲げる平松前市長。
府と市のトップ2人による前代未聞の直接対決である。

維新の会に既成政党も加わっての戦いは、単に大阪だけの争いに
とどまらない。いずれが豊臣か、徳川かは知らぬが、大阪を
二分する戦いは、豊臣と徳川の攻防・冬の陣、夏の陣をもじって
「秋の陣」とも称される。

愛知県と名古屋市の「中京都」構想や横浜、神戸など政令都市の
「特別自治市」構想も持ち上がっている。秋に陣の行方はこれからの
地方自治や大都市のあり方を左右する大きな機会にもなる。
NHK大河ドラマ「江」では、ひと足早く大阪の陣が決着した。

(M.N)


経済成長

これからどうやって再生するのだろうか。世界経済を揺るがす
ユーロ危機の火種となった、ギリシャである。欧州各国が話し合いを重ねて、
ようやく危機を収める枠組みができたようだ。膨大なギリシャの借金は
半分近くを棒引きにするそうだ。それで経営の屋台骨が揺るがないように
銀行は自己資本を厚くする。今後、同じように財政難に陥る国が出てくる
のに備えて、各国で基金を積み増すとのことだ。

だが、あくまで最悪の事態をにらんだ貸し手の防衛作である。
古今東西、貸し手が行き詰った借り手の将来まで案じてくれはしない。
借金に頼らず国の経済を成り立たせる道は、ギリシャが自ら切り開く
しかない。

政府は財政再建を揚げて増税や年金削減を断行し、国民の怒りを
買っている。55歳から受け取れる年金などの厚遇には共感しづらい
面もある。しかし将来展望が示されないままリストラを強いられるだけでは、
猛反発する心情も分からなくはない。

地中海の青い海と空。白く輝くバルテノン神殿。世界中から観光客が
集まり海運業も盛んな国だが、ほかに目立った産業はない。
経済を成長させて国民の懐を温め、税収を伸ばさなければ、いずれまた
借金が増えるのは目に見えている。

ギリシャの二の舞だけは避けようと、日本でも財政再建の議論が
熱を帯びている。とはいえ増税や節約ばかりでは国民の士気は高まらない。
元気が出るような経済成長の種を、上手にまく必要があるのだが。

(M.N)

あだ名

あだ名を直感でつけることが似顔絵を描くツボ、といわれるのは
政治漫画を仕事にしてきた山藤章二さんだ。この世界に入って
彼の初のモデルになった首相が田中角栄氏とのことだ。

人間味のある人物だったために政治家を表現する面白さにたちまち
魅入られたという。つけたあだ名は「ちょびひげをつけたコッペパン」。
以来歴代首相に自分流のあだ名をつけて似顔絵を描いた。福田赳夫氏は
「穫(と)り入れを忘れた古いヘチマ」。言い得て妙だ。

野田佳彦首相がテレビカメラの前で記者の質問に答える、
ぶら下がり取材を拒んだままだ。「駅前以外語らないノダ」などと
なってはいけないと思うのだが。「延長負け戦」で党を崖っぷちに
追いやった前首相の管直人氏のときも途中からやめている。

「古いヘチマ」は4人前の首相、福田康夫さんの父だ。
その親子の間にいた首相は15人。在職期間は1人平均1・7年。
同じ期間内に首相をした竹下登氏の「歌手1年、総理2年の使い捨て」
の名言も的確ながら、使い捨て状態がひどくなったのは言うまでもない。

野田首相もそれは望まないはずだから国民との距離は十分考えて
いられるはずだ。ぶら下がり会見の代わりを検討中なら、晴れても
降っても日々語る方法がいいと思う。同首相が理想とするのは
地味で着実な仕事ぶりから小渕恵三、大平正芳両氏だそうだ。

小渕氏が「山から降りてきた炭焼きおじさん」、読書好きだった
大平氏は「書斎が好きな平家蟹(がに)」だ。山藤さんのエッセー
「まあ、そこへお座(すわ)り」にある。あだ名の寸評はお任せする
としてあだ名も首相本人の気概や努力次第といえると思う。

(M.N)


自転車は車両

自転車は原則、車道を走るもの―。警察庁は、「自転車は車両」
との意識を浸透させることで事故を防ごうと、車道走行と、
交通ルール順守の徹底を全国の警察本部に指示した。

自転車は免許が要らない手軽な乗り物で、車両という意識が
薄れがちだ。一時停止の標識の標柱に「自転車も止まれ」と
書いてあるのを見たことがあるが、守る人はどれぐらいいるだろうか。

自転車のルール・マナー違反に遭遇した経験も数知れない。
歩道をふさぐ数台並んでの走行、スピード走行や無灯火。
車に乗っている時、右側走行の自転車が対向してくると
はらはらする。

今後は違反を発見し次第、警察官が注意することになった。
注意を無視したり、信号無視やブレーキを取り外したりする
危険な行為には交通切符(赤切符)を切って摘発するという。

ただ、車の交通量が多い車道を走るのは怖い。自動車を運転する側も
自転車の存在に注意を払う場面が増えそうだ。今回の指示が
交通事故増加の元凶にならないよう、一人ひとりがルールを守り、
思いやりのある走行に努めたい。

(M.N)

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