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スタッフブログ

宇宙での技術

ロンドン五輪の熱狂がさめやらぬ地球のとなり、火星では
孤独で地道な作業が始まっている。米航空宇宙局(NASA)の
探査車「キュリオシティー」が着陸に成功し、火星表面の
鮮明な画像を地球に届けている。

太陽から3番目と4番目の惑星、地球と火星。となりとはいえ、
気が遠くなる距離である。キュリオシティーは8ヶ月以上の旅を続け、
半径10キロの「的」めがけて着陸した。超巨大アーチェリーを
想像すると、その技術力の高さに感嘆する。

探査車の重さは1トン近い。それをワイヤでつり下げ着陸させた。
NASAのスタッフは「金メダル級の仕事」と誇らしげだ。体操の
内村航平選手も舌を巻く最高難度の新技といったところか。

1960年代から始まった各国の火星探査。着陸や周回軌道投入の
成功率は4割。多くの失敗から学んだ成功という点をいくつも
つないで線にし、新たな面へと広げた。

好奇心の意味を持つキュリオシティーは、約2年かけ生命の痕跡や
可能性を探る。レイ・ブラッドベリの名作「火星年代記」をはじめ、
赤い惑星は古くから人々の想像をかきたてた。

ヒトの無限の好奇心は、宇宙の謎を解き明かせるのか。
鍛え上げた肉体の躍動に驚嘆したあとは、かなたの星で
黙々と仕事をこなす最先端技術からの未知の報告が待ち遠しい。

スポーツ祭典の魅了

感動の後は心地よい疲れを感じる。朝、目覚めても、
気持ちの高ぶりが残っている。楽しい時間を多くの人と
共に過ごした満足感。夢が続いているような気分になった。

さまざまなドラマを残して、ロンドン五輪が幕を閉じた。
世界の壁の厚さも痛感したが、それでも連日のメダルラッシュ
だった。終わってみれば13競技で38個のメダル。
どちらも過去最多だ。精いっぱい頑張った選手らに
心から拍手を送りたいのです。

うれしいのは多くの「初」が生まれたことだ。重量挙げ女子、
アーチェリー女子団体、バトミントン女子ダブルス、フェンシング
男子フルーレ団体、卓球女子団体、サッカー女子。どれも
初メダルである。ボクシング男子は金、銅と複数メダルを
獲得したのも初めてだった。

久しぶりの快挙にも目と心を奪われた。ボクシング男子は
実に48年ぶり、レスリング男子は24年ぶりの金メダルを手にした。
バレー女子の銅は28年ぶりになる。長い挑戦の成果が、
新しい歴史の始まりになれば、と願いたい。

「遠く曲がりくねった道」と歌ったのは英国のバンド、ビートルズ
だった。「その道は君が目指す扉へと続く。いつも消えることなく
目の前にある」。それぞれが努力してたどり着いた扉を、
自分の力でこじ開けた。何よりもそれが素晴らしい。

日本はお盆のさなかだ。きのうツクツクボウシの声を聞いた。
季節は移るが、まだしばらくは夢の名残に浸りたい。

首相発言の重み

政界ではこう言われてきた。「総理大臣は衆議院の解散と
自分の健康問題については、ウソをついても構わない」。
この二つ、不用意に漏らせば周囲に与える影響が大きすぎるからだ。

かっての「死んだふり解散」。首相だった中曽根康弘さんは
「考えていない」と言い続けて、いわば死んだふりを演じつつ、
解散に持っていった。解散に関する首相のウソの典型だ。

時の首相が時期を明言しないのは当然だ。それを承知で
「いつだ、いつだ」と迫るのは、子どものけんか見るようだ。
一体改革法案と解散時期をめぐる民主、自民、公明3党のゴタゴタ
の政局だった。

日本勢が感動を呼ぶ活躍を続けるロンドン五輪。その一方で
政冶はこれだ。多くの国民はあきれる思いだろう。結局、解散時期は
「近い将来」を「近いうちに」と表現を改めて3党が合意したようだ。

「文学を理解しないような政治家は本物じゃない」と語ったのは
亡くなった大平正芳元首相だ。ここで言う文学、迷彩服を着せたような
言葉があふれる「永田町文学」ではあるまいに。
昨日、消費税増税法が成立した。肝心の議論はそっちのけだ。
政争まみれのうちに決まってしまう増税だ。

志の高さ

ロンドン五輪では日本人選手の発する言葉が重い。
「自分のためにやってきた競技に、今回は特別な力が加わった」
と陸上ハンマー投げで銅メダルを獲得した室伏広治選手。
一流競技者ほど、社会や地域とつながろうとする。

震災直後、独り故郷を離れ、現役復帰したフェンシングの
菅原智恵子選手(汽仙沼市出身)は「一生懸命やる姿は見てもらえた
と思う」。不屈の粘りで入賞し、古里の市民に志を伝えた。

宅配業のネットを生かし、高齢者の見守り活動を行う松本みゆきさん
(盛岡市)が「金メダル」を獲得した。「活動を全国に広げる。最後まで
諦めない」と目標から目をそらさない。
 
挑戦する姿はそのこと自体が共感を広げ、公の財産になる。
これまでいろいろあった五輪も終盤へ。熱く盛り上がりたい
。支援を送りたい。

ロンドン五輪

熱い戦いが続くロンドン五輪は日程の半分を終えた。
日本の選手たちは世界を相手に大健闘をみせ、連日の
メダルラッシュだ。
 
メダル獲得はたたえられることなのに、日本の柔道陣は
その色にこだわり過ぎている。日本で生まれた武道だから、
選手に「金でなければ」という独特の重圧があるのだろう。

その他の競技も狙うものはもちろん表彰台の一番高い位置だが、
結果として銀,銅だったとしても、柔道のような悲壮感はない。
水泳陣メダリストのあふれる笑顔が印象的だ。

五輪の出場権を得るまでの血のにじむような努力は国民が
知っている。結果だけにとらわれないでほしい。「持っているものは
全部出せた」という、卓球の福原愛選手のコメントは爽やかだった。

世界が一番と認め、絶対的な自信を口にしていた体操の
内村航平選手ですら団体戦で考えられないミスをした。
世界選手権とは違う。4年に一度の五輪のなせる業だ。

だからドラマが生まれ、人々に大きな感動を与える。
笑顔だけでなく、涙も美しい。選手は持てる力を発揮する
ことだけに集中して戦ってほしい。

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