スタッフブログ
宇宙での技術
- 2012年8月20日 19:23
- M.N氏の岡目八目
ロンドン五輪の熱狂がさめやらぬ地球のとなり、火星では
孤独で地道な作業が始まっている。米航空宇宙局(NASA)の
探査車「キュリオシティー」が着陸に成功し、火星表面の
鮮明な画像を地球に届けている。
太陽から3番目と4番目の惑星、地球と火星。となりとはいえ、
気が遠くなる距離である。キュリオシティーは8ヶ月以上の旅を続け、
半径10キロの「的」めがけて着陸した。超巨大アーチェリーを
想像すると、その技術力の高さに感嘆する。
探査車の重さは1トン近い。それをワイヤでつり下げ着陸させた。
NASAのスタッフは「金メダル級の仕事」と誇らしげだ。体操の
内村航平選手も舌を巻く最高難度の新技といったところか。
1960年代から始まった各国の火星探査。着陸や周回軌道投入の
成功率は4割。多くの失敗から学んだ成功という点をいくつも
つないで線にし、新たな面へと広げた。
好奇心の意味を持つキュリオシティーは、約2年かけ生命の痕跡や
可能性を探る。レイ・ブラッドベリの名作「火星年代記」をはじめ、
赤い惑星は古くから人々の想像をかきたてた。
ヒトの無限の好奇心は、宇宙の謎を解き明かせるのか。
鍛え上げた肉体の躍動に驚嘆したあとは、かなたの星で
黙々と仕事をこなす最先端技術からの未知の報告が待ち遠しい。
スポーツ祭典の魅了
- 2012年8月15日 17:32
- M.N氏の岡目八目
感動の後は心地よい疲れを感じる。朝、目覚めても、
気持ちの高ぶりが残っている。楽しい時間を多くの人と
共に過ごした満足感。夢が続いているような気分になった。
さまざまなドラマを残して、ロンドン五輪が幕を閉じた。
世界の壁の厚さも痛感したが、それでも連日のメダルラッシュ
だった。終わってみれば13競技で38個のメダル。
どちらも過去最多だ。精いっぱい頑張った選手らに
心から拍手を送りたいのです。
うれしいのは多くの「初」が生まれたことだ。重量挙げ女子、
アーチェリー女子団体、バトミントン女子ダブルス、フェンシング
男子フルーレ団体、卓球女子団体、サッカー女子。どれも
初メダルである。ボクシング男子は金、銅と複数メダルを
獲得したのも初めてだった。
久しぶりの快挙にも目と心を奪われた。ボクシング男子は
実に48年ぶり、レスリング男子は24年ぶりの金メダルを手にした。
バレー女子の銅は28年ぶりになる。長い挑戦の成果が、
新しい歴史の始まりになれば、と願いたい。
「遠く曲がりくねった道」と歌ったのは英国のバンド、ビートルズ
だった。「その道は君が目指す扉へと続く。いつも消えることなく
目の前にある」。それぞれが努力してたどり着いた扉を、
自分の力でこじ開けた。何よりもそれが素晴らしい。
日本はお盆のさなかだ。きのうツクツクボウシの声を聞いた。
季節は移るが、まだしばらくは夢の名残に浸りたい。
首相発言の重み
- 2012年8月11日 16:34
- M.N氏の岡目八目
政界ではこう言われてきた。「総理大臣は衆議院の解散と
自分の健康問題については、ウソをついても構わない」。
この二つ、不用意に漏らせば周囲に与える影響が大きすぎるからだ。
かっての「死んだふり解散」。首相だった中曽根康弘さんは
「考えていない」と言い続けて、いわば死んだふりを演じつつ、
解散に持っていった。解散に関する首相のウソの典型だ。
時の首相が時期を明言しないのは当然だ。それを承知で
「いつだ、いつだ」と迫るのは、子どものけんか見るようだ。
一体改革法案と解散時期をめぐる民主、自民、公明3党のゴタゴタ
の政局だった。
日本勢が感動を呼ぶ活躍を続けるロンドン五輪。その一方で
政冶はこれだ。多くの国民はあきれる思いだろう。結局、解散時期は
「近い将来」を「近いうちに」と表現を改めて3党が合意したようだ。
「文学を理解しないような政治家は本物じゃない」と語ったのは
亡くなった大平正芳元首相だ。ここで言う文学、迷彩服を着せたような
言葉があふれる「永田町文学」ではあるまいに。
昨日、消費税増税法が成立した。肝心の議論はそっちのけだ。
政争まみれのうちに決まってしまう増税だ。
志の高さ
- 2012年8月 9日 18:40
- M.N氏の岡目八目
ロンドン五輪では日本人選手の発する言葉が重い。
「自分のためにやってきた競技に、今回は特別な力が加わった」
と陸上ハンマー投げで銅メダルを獲得した室伏広治選手。
一流競技者ほど、社会や地域とつながろうとする。
震災直後、独り故郷を離れ、現役復帰したフェンシングの
菅原智恵子選手(汽仙沼市出身)は「一生懸命やる姿は見てもらえた
と思う」。不屈の粘りで入賞し、古里の市民に志を伝えた。
宅配業のネットを生かし、高齢者の見守り活動を行う松本みゆきさん
(盛岡市)が「金メダル」を獲得した。「活動を全国に広げる。最後まで
諦めない」と目標から目をそらさない。
挑戦する姿はそのこと自体が共感を広げ、公の財産になる。
これまでいろいろあった五輪も終盤へ。熱く盛り上がりたい
。支援を送りたい。
ロンドン五輪
- 2012年8月 6日 11:21
- M.N氏の岡目八目
熱い戦いが続くロンドン五輪は日程の半分を終えた。
日本の選手たちは世界を相手に大健闘をみせ、連日の
メダルラッシュだ。
メダル獲得はたたえられることなのに、日本の柔道陣は
その色にこだわり過ぎている。日本で生まれた武道だから、
選手に「金でなければ」という独特の重圧があるのだろう。
その他の競技も狙うものはもちろん表彰台の一番高い位置だが、
結果として銀,銅だったとしても、柔道のような悲壮感はない。
水泳陣メダリストのあふれる笑顔が印象的だ。
五輪の出場権を得るまでの血のにじむような努力は国民が
知っている。結果だけにとらわれないでほしい。「持っているものは
全部出せた」という、卓球の福原愛選手のコメントは爽やかだった。
世界が一番と認め、絶対的な自信を口にしていた体操の
内村航平選手ですら団体戦で考えられないミスをした。
世界選手権とは違う。4年に一度の五輪のなせる業だ。
だからドラマが生まれ、人々に大きな感動を与える。
笑顔だけでなく、涙も美しい。選手は持てる力を発揮する
ことだけに集中して戦ってほしい。
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