スタッフブログ
議員引退
- 2012年11月29日 17:42
- M.N氏の岡目八目
総選挙は世代交代の機会でもある。今回も多くの議員が
引退を決めた。「大物」と呼んでいいのかためらいもあるが、
政局の中心にいた有力者が永田町を去る。首相経験者は4人。
羽田孜、森喜朗、福田康夫、鳩山由紀夫の各氏だ。いずれも
評価はまちまちだが、一時期、日本の最高責任者だったことは
間違いない。
民主党の渡辺恒三最高顧問や自民党元幹事長の古賀誠,
武部勧、中川秀直氏、元防衛庁長官の大野功統氏ら記憶に
残る議員が多い。高齢や体調不良での引退もある。一方で
まだ元気に働けそうな方もいる。現場にちょっかいを出す
「陰の長老」は困るが、現役時代の人脈や経験を生かした活動
の場はあるはずだ。大所高所に立った活動を期待したい。
故福田赳夫元首相は首相退陣後、各国の元指導者に
呼び掛けて「OBサミット」を創設、環境や資源など地球規模の
問題に取り組まれた。「地位を去って社会的制約も多少楽に
なった各位を糾合して、現役諸公を補完しよう」と取り組んだと
福田元首相の「回顧九十年」にある。
故橋本龍太郎元首相は水の問題に取り組まれた。
侵略戦争と植民地支配を謝罪した戦後50年談話を出した
村山富一元首相は今でも中国側と交流を続けられている。
森元首相は今でもブーチン・ロシア大統領と親しいそうだ。
さて「宇宙人」鳩山元首相は何をなされるのか。「友愛
東アジア平和研究所」を構えて友愛精神を広めていきたい
と語られているそうだ。世界に混乱をまき散らさないように願いたい。
明日の日本を担う若者たち
- 2012年11月26日 12:36
- M.N氏の岡目八目
英語を身に付けて、将来は世界を飛び回りたい。若きころ、
そんな思いで留学にあこがれた人も多いだろう。かって海外に
どんどん出ていた日本の若者たち。しかし近年は事情が違って
きている。米国大学の日本人留学生が年々減り続け、2万人を切った。
15年前のピーク時には4万7千人を数え、国別でも日本が
トップだった。それに比べれば6割も減ったことになり、驚かさせる。
代わって1位に躍り出たのは、容易に想像がつくだろう。
日本を抜いて世界第2位の経済大国となった中国だ。
一人っ子政策の影響もあり、教育熱は過熱気味のようだ。
米国へ子ども留学させるのは親にとって「成功の証し」
というからすごい。
日米中韓4カ国の高校生の意識調査では、留学希望者の
割合は日本が5割を切り最下位。トップの韓国は8割を越す。
気掛かりなのは、留学を望まない日本の生徒たちの理由だ。
「面倒だから」「自分の国が暮らしやすい」が多かったことだ。
日本の若者たちにチャレンジ精神が乏しくなったのか、
長引くデフレで経済的な余裕がなくなったためなのか。
若者の内向き志向が指摘されているが、複雑な心境になった。
社会のグローバル化が進む中、気掛かりだ。
政治、経済でなく社会全体に停滞感が漂い、「新衰退国」とも
呼ばれそうな日本だ。輝きを取り戻す日は訪れるのだろうか。
明日の日本を担う若者たちに期待したいところなのに、
すべてが悪循環に陥ってしまったかのようだ。
どこかで断ち切らねばと願う。
就職活動さまざま
- 2012年11月22日 09:33
- M.N氏の岡目八目
先日発売になった自由国民社の『現代用語の基礎知識2013』を
買い求めた。特集には「3・11後、この国の選択」、巻頭巻末を除いて
15項目の2万7000語を解説されている。
以前は例年購入、調べ物の際の必需品だったが近年は、つい手軽な
ネット検索で済ませることが多く、久々に手に取った感がある。
開いてみて各所に時代を痛感した。
まず、「政治」の前に「環境」が、「経済」の前に「国際情勢」と
「各国事情」の項が配されていたことである。日本が現在
置かれている状況を、目の前に突きつけられた思いだ。
もう1つ、かって就職試験を控え「読破する」と日々ページを
繰っていた知己もいたが、『現代用語の基礎知識』は大学生の
就職活動に必須の1冊だった。それは今も変わらぬようだが、
その本体に何と、「就活成功への活用術」までが掲載されているのだ。
それは本来、学生自身が考えるべきことではないだろうかと思う。
これも時代なのか。
安全第一を願う
- 2012年11月14日 08:04
- M.N氏の岡目八目
そこは目がくらむほどのきらびやかな世界だった。
操作盤に手をやる美しい女性に見とれていた少年は
「運賃はいくらなんだろう」とポケットの小銭をぎゅっと握り締めた。
熊本で初めて乗ったエレベーターだった。
亡き父が戦前に体験した話だ。よほど印象深かったのか
何度も聞かされた。先日はエレベーターの日だった。
1890年11月10日、東京浅草に完成した12階建て展望台
「凌雲閣」に日本初の電動式エレベーターが設置されたことにちなむ。
ただし、危険との理由ですぐ利用中止になってしまったという。
今年、近くに開業した東京スカイツリーには、第1展望台までの
350メートルを50秒で結ぶ国内最高速のエレベーターが設置された。
1世紀以上を経て到達した高度な技術に敬意を送りたいところだ。
かと思えば金沢市のホテルでは先日、清掃会社のパート従業員の
女性がエレベーターに乗ろうとして死亡するという痛ましい事故が起きた。
扉が開いたままかごが上昇し、かごと扉の上部に胴体をはさまれた
事故だ。時には心温まる会話を生むエレベーターなのに、それが突然
牙をむくのでは安心して乗れなくなる。
安全装置のない旧機種の改修が進んでいない背景があるという。
なぜ、安全への誓いが生かされていないのか。発足したばかりの
消費者安全調査委員会も、二度と悲惨な事故を起こさないために
徹底的な検証が必要だ。
オバマ大統領勝利
- 2012年11月 8日 17:11
- M.N氏の岡目八目
オバマ大統領の自伝「マイ・ドリーム」を読み返してみた。
オバマ氏が政治家になる前、30代の半ばで書いた本である。
日本では前回大統領選の前年、2007年に出版されている。
印象深いのは、少年時代を過ごしたインドネシアと父親の母国
ケニアを訪ねた時の記述である。市場では雑多なものが売り買い
されている。一見乱雑な中に商売の決まりがあり秩序があった。
そして「皆がつながっていた」。米国社会の荒廃に、オバマ青年は
思いをはせるのだった。
苦しい選挙戦だった。無理もない。この4年間、暮らしはよくなっていない。
変革のうたい文句は色あせ、対外政策でもこれという成果を残していない。
それでも勝利を引き寄せることができたのは、有権者が米国社会の
分断に心を痛め、連帯の大切さを感じ取っているからだろう。
オバマ氏を大統領候補に正式指名した9月の民主党大会。
クリントン元大統領はこんな演説で会場をわかせた。
「勝者が全てを持ち去るような社会を望むなら、共和党候補を
支持するがいい」。富裕層が野放図な金もうけに走り、社会の絆を
断ち切ったことを糾弾(きゅうだん)する演説だった。
「私たちは一つの米国として団結する」。勝利を宣言する演説で
大統領は力説した。任期は4年である。人々の暮らしを安定させ
連帯の輪をつなぎ直すことができればそれこそが、新しい
アメリカンドリームになる。
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