スタッフブログ
年暮れる
- 2012年12月25日 10:49
- M.N氏の岡目八目
カレンダーは、今年の残りが1週間足らずと教えてくれている。
選挙が師走の時間をせき世間の時計が一気にぐるぐる回転して
いるかのようだ。やらなければいけないことがいくつも重なると、
全部まとめて投げ出したくなる。それもこれも暮れという時期
だからだろう。
明日、明日と先送りしても、年賀状は書かないといけない
という人が多い。近年はメールを年賀状代わりに、という方法もあるが、
元旦に一通のはがきを受け取る喜びは、ほかでは得られない。
ならば、元旦に間に合うように思いつつも大晦日の夜に
書いていたこともあった。
先日、友人から「今年は年賀欠礼のはがきを何通もいただいた」
という話を聞いた。われわれの年代は、親がそういう年齢になって
いるんだよとその人はつぶやいていた。
父と母の、知人のはがきを出したらそれぞれの年を思い出した。
寂しい正月には違いないが、心が静かに亡き親に寄り添って
いたような氣がする。
年賀状を出せないからと、寒中見舞いで近況を伝えてくれる
人もいる。忘れられない思い出だ。
それ以来、真似をさせてもらっている。
有権者の声
- 2012年12月21日 14:24
- M.N氏の岡目八目
あっという間に衆院選が終わり、年末を前に新たな顔触れが
選ばれた。誰に投票すべきか、これほど考える時間が少ない国政選挙は
最近はなかったと思う。選挙の直前まで新党の立ち上げや合流が相次ぎ、
状況は目まぐるしく変化した。政党や各候補者が訴える政策も
入り組んでいて、各党の違いが分かりにくいという指摘が多かった。
何よりも気になったのは「どの政党にも期待できない」「いい話ばかりで、
誰を信用していいのか分からない」という有権者の声を数多く聞いた。
以前から「政治に期待しても何も変わらない」という無関心な人はいたが、
最近は政治に一定の期待を寄せ、これまで真面目に1票を投じて
きた人たちが政治の現状に失望を感じ始めているよう思える。
その失望感は与党にも野党にも等しく向けられている。掲げた政策の
実現だけでなく、選挙時の訴えとその後の行動、国会での与野党間の
議論などにも厳しい目が注がれているからだ。「当選後もどこまで
取り組んでくれるか分からない」「選挙の時だけいいことを言う」。
こうした有権者の声を真剣に受け止めてほしい。
山中効果
- 2012年12月18日 07:55
- M.N氏の岡目八目
ことしのノーベル医学生理学賞に選ばれた山中伸弥京都大学教授。
授賞式をテレビで見ていたら、家族思いの一面をのぞかせて
ほほ笑ましかった。式には妻の知佳さんと母の美奈子さんも招待された。
メダルを授与された後「母親の顔を見て安心しました」と話していたのが
印象的だった。
知佳さんを「大阪の肝っ玉おばさん」と呼ぶ。「研究仲間の3人は、
2人の娘と同じぐらい大切。家内はこの3人より大切」というおのろけは、
講演での定番だそうだ。当日、知佳さんの身を包んだ着物には、
オシドリの柄があしらわれていた。山中教授が選んだそうで
おしどり夫婦をアピール?周囲を和ませるユーモアのセンスも抜群だ。
山中教授が開発したIPS細胞は東京スカイツリーとともに、ことしの
ヒット商品番付で横綱になった。「日本人に自信を与えた」というのが理由だ。
先日発表された国際数学・理科教育動向調査で、日本の小学生に学力向上の
兆しが見られたという。「山中効果」で、後に続く子どもたちが理科系を極める
ようになるなら頼もしい。
原発の扱い
- 2012年12月 9日 20:21
- M.N氏の岡目八目
今回の衆院選、エネルギー源の一角を占める原発の扱いが
争点の一つだ。政党によって「脱原発」「卒原発」「減原発」
「原発即廃止」と言葉は異なるが、少なくとも今よりは原発を
減らすか、将来的になくするかということと思える。
これまでの原発を含む核燃料サイクル政策を考えると、
燃料を燃やし電気を発生させる原発やそのほかの関係施設は
あっても、燃料を循環させる輪は完成しておらず、使用済み
核燃料はたまり続ける。「トイレなきマンション」と言われるゆえんだ。
サイクルの輪に必要な、しかしまだ存在していない施設は
「▽▽年ごろから議論を始める」といい、行き当たりばったり感が
否めなかった。とはいえ、現在の社会は3・11前、原発が
作り出す電気に多く依存してきた。今ここから脱却するには
時間と知恵が必要だ。
「*原発」を訴える党は選挙後すぐ自らが唱えた原発の扱いと
代替エネルギーに関するロードマップを作成、明示することを
やってほしい。まさか票目当てに「*原発」を訴えることはないだろう。
「やっぱりできませんでした」では済まされないのだが。
誰からも親しまれた人
- 2012年12月 7日 08:48
- M.N氏の岡目八目
第一印象は「何というさわやかな、ほどのいい若者だろう」。
昨年11月に亡くなった落語家の立川談志師匠は書いている。
勘九郎さんのことだ。ほどがよいとは、外見が良く好ましい
という意味だ。2人は19歳も年齢が離れているのに意気投合し、
よく飲んだらしい。翌日、寄席に穴をあけ、勘九郎さんが
駆けつけて客席に謝ったそうだ。
「第一印象は現在まで変わらない」と著書『談志百選』にある。
2人は今、1年ぶりの再会をどう思っているだろうか。
「来るの、早すぎるんじゃねえか」と談志さん、たしなめている
だろうか。勘三郎さんが57歳の若さで亡くなった。
物語や役とは別に、役者その人の魅力を味わうのが
歌舞伎の楽しみの一つという。ほどがよく、さっぱりして、
きびきび。歌舞伎の魅力が結晶したような人だった。
テレビを通して、愛嬌のある笑顔に魅了された人も多いだろう。
幅広い役柄、外国公演、歌舞伎の枠を超えた演劇人との競演。
さらには円熟味を増した「勘三郎の世界」。見せ場はこれから
だったはずなのに。東日本大震災の被害地に応援に行けないのが
歯がゆいと・・・いつだったか、そんな意味のことをテレビで
語っていられたことを思い出す。病気から立ち直り、元気な姿で、
復興の様子を見に行ってほしかったと悔やむ。
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