スタッフブログ
景気
- 2013年1月12日 16:09
- M.N氏の岡目八目
暮れの大みそかに珍しくテレビで落語をやっていた。
しかも立川談志師匠の「芝浜」だった。一昨年亡くなった師匠が
十八番にしていた演目である。酒好きでうだつの上がらない
魚屋とその女房。浜で拾った大金を女房から夢だと思い込まされた。
一念発起して断酒。店をもてた3年後の大みそかに
真相を明かされるという人情噺だ。
師匠の工夫は、偉ぶらない女房の演出。「おまえさんに
あたしァうそをついたんだよ。腹がたったら、あたしをぶつなり、
けるなりして、それで勘弁しておくれ」と、涙ながらに謝罪
する場面は胸にぐっとくる。
と、いい気持ちになって新年を迎えたら、世の中は株の話で
持ちきりになった。週刊誌には「2万円」の見出しも載っていた。
「今度の参院選までかな?」「来年の消費税増税までは
頑張るでしょう」。円安とともに期待を込めながらも、
まだ恐る恐るといった感じだろうか。
何しろこの株高円安は、まだ実体が伴っていない。
それでも景気は気からという。政権交代で気が変わり、政治家の
「口先介入」もあった。麻生太郎財務相は年末に財務省で、
「株価が1万5千円にもなれば、何となく気持ちが豊かになる」と
数字を挙げて訓示したものだ。
相場のことは相場に聞け、という。考えても考え切れるものでは
ないということだろう。「芝浜」では、女房から酒を勧められた魚屋が
口に近づけた杯をふいに置く。「よそう。また夢になるといけねえ」。
落語の落ちを反すうしながら、3年後の日本を想像してみた。
棋士対コンピューター
- 2013年1月 8日 13:40
- M.N氏の岡目八目
正月早々、暇を持て余した小学生の孫が珍しく将棋を指そうという。
久々の一番は完敗。おかげでほろ酔い気分もさめてしまったが、
子どもの成長を垣間見たひとときでもあった。わざと負けて
喜ばせたころが懐かしい。
人よりも成長著しいのが将棋のコンピューターソフト。
暮れに亡くなった米長邦雄永世棋聖が1年前、敗北を喫したのは
記憶に新しい。現役でないとはいえ日本将棋連盟会長だ。
衝撃的だった。棋士対コンピューターの次回対決は3~4月。
今度は現役プロとの真剣勝負となる。
チェス、シャンチー(中国)、チャンギ(朝鮮半島)など世界に
多様な将棋がある中、持ち駒を使うのは日本将棋のみだ。
異民族との戦争がまれで敵兵の「寝返り」が珍しくなかった
日本ならでは、との指摘もある。いずれにしろ,このルールが
ゲームを極めて奥深いものにした。
一方、ソフトも飛躍的に進化した。米長さんを破った
「ボンクラーズ」は、1秒間に約1800万手を読むつわものだ。
米長さんはその弱点を研究し尽くし、人間相手では使わない
指し手でかく乱した。しかし、後半の致命的な「見落とし」で投了。
経緯は自著『われ敗れたり』(中央公論社)に詳しく記されている。
本はミスの裏にあった、ある事件にも触れていられる。
夏休みに記者から突然写真を撮られて立腹された。
「平常心を失った」と悔やまれる。いかにも人間らしい負け方に、
ほっとさせられる。チェスの世界王者がソフトの軍門に下って15年。
果たして将棋は。米長さんも気をもんでいられるに違いない。
財政の崖
- 2013年1月 7日 17:55
- M.N氏の岡目八目
初詣、初売り、初夢・・・。年の初めに何かと「初」をつけるのは、
心を新たにするすがすがしい先人の知恵か。おとそ気分の
三が日も過ぎ、昨日が初仕事という人も多いだろう。
とりわけ景気の回復が期待される新年である。昨年末から
世界が注視したのが「財政の崖」である。減税の失効と
強制的な歳出削減の問題だ。二つが同時に実施となれば、
米経済は崖から転落するように逆風に見舞われ、世界経済に
深刻な影響を与えると懸念された。
上院と下院で多数派が異なる議会のねじれから、
民主、共和両党が激しく対立し、政策の妥協が図れない状態は
オバマ大統領が再選を決めた後も続いた。回避策が
期限ぎりぎりで成立したのは、経済の立て直しが急務の
日本にとっても、まずは朗報だった。
景気の「氣」は人の気持ち、商機の「機」はタイミングチャンス
のことという。企業経営者や消費者心理の良しあしは
経済状態を表す指標ともなる。経営者は売れる好機と思えば、
生産や雇用を増やす。消費者も先行きに明るさを見いだせば、
消費を増やしたくなる。逆なら控えることになる。
年末に発足した安倍晋三政権は金融緩和などを柱とする
「アベノミクス」を打ち出し、これを好感として年末の市場は
株高と円安が進行した。この流れと成長戦略が景気の回復に
つながればいいのだが。
駅伝
- 2013年1月 5日 18:57
- M.N氏の岡目八目
駅伝は見るものを熱くさせる。近年、人気が高まっている。
正月三が日、全日本実業団対抗駅伝、大学生の箱根駅伝と、
立て続けにテレビで観戦した。駅伝は日本生まれの競技だ。
1917(大正6)年に京都から東京までの約500キロで
行われたのが最初だそうだ。名称は、奈良時代に役人や
公文書を運ぶためにおよそ30キロごとに乗り継ぎの馬などを
配置した駅伝制にちなんだそうだ。
駅伝のコースは起伏の激しい道路。急な下り坂から緩い
下りに差し掛かると、選手は上り坂だという錯覚に陥る。
長時間のレースだから、風雨の影響も受ける。トラック競技とは
異なる難しさがある。
ペース配分が難題だ。抜きつ抜かれつの展開は駅伝の
醍醐味ではあるが、むやみに前を走る選手を追い抜くと
体力を消耗して後半にバテルこともある。
冷静な状況の見極めが求められる駅伝はハプニングが
起きやすい競技なのだ。
懸命にタスキきをつなぐ姿は見る者の胸を打つ。
私も川崎市役所そばの沿道でよく観戦したが、
困難にくじけそうになる自分を奮い立たせた。
かって思うように走れない外国人があっさりと棄権し、
「個人主義の外国人に駅伝は向いていない」と話題に
なった時期もあった。でも、今や海外でエキデン大会が
開かれるまでになった。山あり谷ありの人生にも似た
日本発祥の駅伝の魅力に世界が気付いたらしい。
本年も有難うございました
- 2012年12月28日 13:22
- M.N氏の岡目八目
新政権は、暮らしと、将来を思い、国の進むべき道と
示せる政治を期待に応えてほしいものです。
クリスマスが終わると、正月を迎える準備があちこちで
始まる。しめ飾りなどを売る露天が軒を並べ、
慌ただしがまします。来週はもう元旦です。
本年の『岡目八目』をご愛読ありがとうございました。
来年もぜひ、お読みいただけることをお願いし、
皆様方が、ご健康でよいお年を迎えられますよう
祈願します。
- Search
- Links