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サッチャー氏死去

 87歳で亡くなった英国のマーガレット・サッチャー元首相は
いつもせかせかと歩き、並の人間では追いつけない速さだったという。
「私はいつも激しく働いてきた。仕事なしではどうしていいかわらない」
とも言っているから、一種の「仕事中毒」だったのだろう。
田舎町の食料雑貨店に生まれ、勤勉と努力で権力の座へ上り詰めた人だ。

だからか、働きばちの日本人には共感を示した。国内向け演説では、
日本に見習えと言わんばかりに、その勤勉さと技術革新をしばしば
引き合いに出したという。「われわれは自分の努力でハシゴを上がる人
を助けるべきだ」。こう訴えて政府の関与を減らし、競争原理に基づいて
産業界を再生させる新自由主義の道を突き進んだ。

国有企業の民営化や規制緩和、労組の弱体化を進め、高福祉政策にも
大なたを振るった。そんな荒療治で疲弊した国を立て直した。この路線が、
中曽根民活路線など日本の行政改革にも多大な影響を及ぼしたことは
周知の通りだ。

が、市場原理の重視は、競争から落ちこぼれた人を社会の底辺へ追い込み、
貧富の格差を広げたのも事実である。国のかたちを大きく変えた「鉄の女」
サッチャー氏が、光と影に彩られた首相在任3期11年余りだった。

私ごとで恐縮だが、同時期に企業戦士の一員として、都市計画業務の
末端に携わっていたが、知人から「あなたの趣味は」と問われ「仕事です」
と応えたことを思い出し、国内全体が騒がしかったが、良い時代だった
ようにも感じる。

ケネディ王朝

ジョン・F・ケネディ米I大統領が、テキサス州ダラスで暗殺されたのは
1963年11月22日だった。今年没後50年になる。その折に、
遺児で長女のキャロライン・ケネディさんが、次期駐日大使の
有力候補に取りざたされている。55歳というから、父親を失ってときは
5歳だった。現在は父親の名を冠した図書館の館長をしているそうで、
政治に携わった経験はない。

キャロラインさんといえば、オバマ大統領支持を鮮明にし、
その勝利に貢献した一人としてメディアに登場していた。駐日大使に
擬せられたのは、大統領選の論功行賞と報じられるゆえんだろうか。
それに加えて、名門ケネディ家(ケネディ王朝とも呼ばれる)の出身
ということも。死後半世紀たっても、国内外でのケネディ元大統領の人気は
衰えるどころか、節目の年と相まって一層高まる気配だ。

1961年から5年間、駐日大使を務めたライシャワー氏は、
ケネディ元大統領のたっての要請でハーバード大教授から転身した。
著名な歴史学者でもあり、遺唐使円仁の中国旅行記「入唐求法巡礼行記
(にっとうぐほうじゅんれいぎょうき)の翻訳者として知られている。

伝えられるように、キャロラインさんの就任が実現すれば、初めての
女性駐日大使となる。日米関係により良い効果をもたらす、と日本では
早くも期待する声が出ているが、米軍普天間基地問題をはじめ
難題が待ち受けている。

バブルに用心

昨年末以降、平均株価がほぼ右肩上がりで上昇している。
安部晋三首相が掲げる「アベノミクス」の効果と言われる。
百貨店では高級商品が売れるようになったらしい。株が上がり、
カネが回り、景気がよくなる、結構なことだ。

「バスに乗り遅れまい」と、証券会社の株式セミナーも盛況だという。
だが、年季が入った個人投資家なら「これはバブルかもしれない」
という不安もよぎるのではないか。1980年代後半から90年代初めの
バブル景気。株式市場は空前の活況を呈し、土地には目をむくような
値が付いた。知人の不動産会社社長は「取引のなかった大銀行の
支店長が100億円単位の金を借りてくれと向こうから出向いてきた」
と驚いていた。

ごく一部の学者などが「バブルだ」と警告を発していたが、
投資家も銀行も耳を傾けなかった。だが、やはりバブルだった。
株や土地その他に投じられて、まさに泡と消えたカネは日本全体で
何百兆円になるのか。まず経済の右肩上がり信仰も土地神話もない。
なによりバブル崩壊で大損した人がたくさんいる。そういう人たちは
「ババをつかんでなるものか」と逃げ足も速いだろう。
用心するに越したことはない。

図書館

今日(4月2日)は、図書館開設記念日なのだそうだ。
明治5年旧暦4月2日、東京湯島に日本初の官立公共図書館
「東京書籍餡」が開設されたことに由来するという。
図書館と聞いて思い出す印象深い言葉がある。

高校時代の世界史の先生が、何かの折に授業から脱線して
話された言葉だ。「公立図書館っていうのは、その地域の文化の
豊かさを示すもんだ」と。記憶をたぐる中で意訳すれば、
このような話だった。何となく分かったような気で聞いていた
覚えがある。

60年近く前の話だ。今のようにネットで知りたいことが
すぐに調べられる時代ではない。何かを調べたい時、真っ先に
向かうのは図書館だ。今振り返って考えると、先生は生涯学習の
拠点として公立図書館の重要性を指摘されたのだろう。

佐賀県武雄市の市立図書館が話題だ。1日から指定管理者制度
を導入、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ
(CCC、東京)に運営委託した。民間の「カード」で本を借りて
ポイントが貯まる仕組みや本を持ち込めるカフェ、CDやDVDの
有料レンタル、書籍の販売もあるという。

同市の人口は5万人、典型的な地方の小都市だ。図書館に
指定管理者制度はなじまないという意見や、Tカード導入で
個人情報保護を危惧する声もあったという。果たして、「文化の
豊かさを示す」存在なのかどうか、自分の眼で確かめてみたい
興味ある図書館だ。

折しも中原図書館が武蔵小杉駅前のビルに、開設された。
図書館内装工事をジェクト株式会社が施工。図書館の概要は、
市川社長のブログで説明されている。近代的な設備を要した
図書館と聞く。早く利用したい。
 

質素な生活ぶり

作家の城山三郎さんが、経団連会長だった土光敏夫さんの
自宅を訪ねた時の事だが城山さんが玄関を開けようとすると、
たてつけが悪くなかなか開かない。縁側から上がり
庭を見ると、石や池はなく植木と芝生と野菜畑があるだけ。
植木は土光さんが手入れしているらしく雑然としていた。

土光さんは夫人との生活費用10万円を残し、あとの収入は
全て学校に寄付していた。だから玄関も直せない。健康法は
木刀を振り回し庭を駆け巡るだけ。

城山さんも自宅に芝生を敷いていたので「まめにやらないと
いけないんで大変ですよね。うちなんかも良く人を頼んで・・・」と
口を滑らせると、「それなら僕が芝刈りに行くよ。頂いた日当は
寄付します」と身を乗り出してきた。「よみがえる力は、どこに」
(新潮社)に書いていられる。

後に臨時行政調査会の会長に推された土光さん。
「財界総理」と称され、質素な生活ぶりから「メザシの土光さん」
で知られた。

実績、統率力、強い意志・・・。組織のトップには多様な要件が
求められるが、清廉であること、そして人間的な魅力は内外から
尊敬され信頼を得る重要な要素だろう。政治家は?

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