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政治の役割

政治の大きな役割の一つに、社会保障がある。私たち一人一人が
安定した生活を続けるために、国や自治体が所得を、こちらから
あちらに移すことによって、年金、医療、介護、育児などのサービスを
行う制度だ。

今日ほど、社会保障が叫ばれる時代はない。というのも、
少子高齢化が急速に進行し、高齢者に充てられる給付額が増大
しているからである。国全体で毎年3兆円増え続け、いかに財源を
確保するかが、最大の課題と言える。世代間負担の公平を図り、
持続可能な制度にしないといけない。

ここまでは、多くの人たちが共通認識を持っているのだが、
わが身に降りかかってくると、保険料、税は引き上げてもらっては困る。
しかし、保障費はもっと充実させてほしい、と思ってしまう。参院選
で各党、社会保障をどう改めようとしているのか。

公約を見ると、「消費税は社会保障に使う」(自民)「最低保障年金の
創設を目指す」(民主)「公的年金は積み立て方式に移行する」(維新)
「税と社会保険料を一元管理する庁を設ける」(みんな)などで、
改革の道筋はわかりにくい。安心して老いてゆける社会はどこに、である。

心に柱を

報道された写真を見ると、塔(とう)のあった跡に
柱が1本立っている。解体修理中の薬師寺東塔(やくしじとうとう)
の心柱(しんばしら)を取り外す貴重な光景だった。

日本では亡くなった人の命を「柱」と呼ぶ。柱には神が宿る
とされ命の代名詞になった。塔はその象徴だ。高い塔を
支えるために柱を立てるのではない。柱を守るために
壁や屋根が必要なのだ。だから心柱と呼ぶ。柱が命の塔の
本質がわかる写真だった。

中国などの石造(いしづくり)りの五重塔は内部が空洞
(くうどう)になっている。日本の塔とは似て非なるものとされる。
薬師寺東塔の心柱は2本の大木をつないである。上部は
取り換えられたものだが、下部は1300年前のまま。
樹齢(じゅれい)は1500年と推測される。

樹齢千年の木で建てた塔は千年の風雪に耐える。
千年の木を育てる森林ができるには「千年かかる」という。
薬師寺復興に関わった宮大工、西岡常一(にしおかつねかず)
さんの言葉である。

立派な塔には立派な木材が、いい木材を育てるにはいい森林が
必要だ。民主主義に似ている。政治家も有権者も一日では育たない。
遠い先を視野に足元を固めていくのが選挙だ。心の柱を。
党の政策に命を。

信じる

歴史年表をみると、世界ではナチスのベルリン五輪開催、
国内では二・二六事件が起きた。そんな1936(昭和11)年以来の
出来事に英国中が沸いた。テニスのウィンブルドン大会男子で、
マリー選手が英国人として77年ぶりに優勝した。

試合後「勝てないときも我慢し信じてくれた」とコーチに感謝した。
コーチは米国人のイワン・レンド氏だ。テニスファンなら知らない人は
いない、往年の名選手だ。信じて待つ師匠と、それに応えた弟子。
そう書けば、米英の師弟なのに浪花節の雰囲気が漂う。

77年ぶりとまではいかないが、大相撲は久しぶりの日本人横綱
誕生の期待に沸く。加えて注目されるのが八百長問題をめぐる
裁判で勝訴し、土俵に帰ってきた蒼国来(そうこくらい)と、初の
アフリカ人関取の大砂嵐(おおすなあらし)だ。

初日から黒星が続く蒼国来に対し、師匠の荒汐親方は
「きょうよりあした」と話し、こちらも一貫して信じて待つ構えで臨む。
期待に応えて昨日、蒼国来は待望の白星を手にした。

白星先行の大砂嵐は昨日の日没から、イスラム教徒のラマダン
(断食月)が始まった。今場所は、日の出から日没まで飲食を
禁じられた状態で相撲を取る。母国エジプトの混乱も気になるだろう。

午前2時に起き日の出まで食べて飲んで土俵に備える。
そんな大砂嵐を、部屋を挙げてサポートする。支えがあるから
踏ん張れる。支える人と支えられる人だ。国籍は関係ない。

願いごと

近所のスーパーマーケットに、七夕飾りがお目見えした。
客寄せのための営業企画という"今どきの風流"だが、
目にすると季節を感じ、心がほっと和みます。赤や青、黄色の
短冊に子どもたちの願いが書き込まれている。「お花やさんに
なれますように」「アイドルになりたい」「勉強ができますように」
「はあとのおみみのくまさんがほしい」

無垢(むく)な願いに交じって、こんなのもあった。「家族の
みんなが笑顔でいられますように」「じいちゃんの腰が治りますように」。
きっとかなうよ、周囲に気付かれぬようにつぶやいた。

大人たちが願い事を託す参院選が明日、告示される。有権者は
何を願うのだろう。景気がよくなりますように、生活が楽になりますように、
東日本大地震での避難者が早く古里に帰れますように。

世知辛い世の現実にのまれ、願うことすら忘れているかもしれない。
しかし政治とは本来、人々の夢や希望、目標によって形づくられるはずだ。
それが民主主義、と信じたい。

有権者の願いはただし、祈るばかりでなく行動しなければかなわない。
子どもたちの数え切れない願いは、七夕飾りをしなだれさせた。
大人たちの短冊も、たくさん投じられますように願いたい。

有権者に響く言葉を

「だました人が悪いのか、だまされた私が悪いのか」。
衆院小選挙区定数の「0増5減」に伴う区割り改定法を再可決した
先日の衆院本会議。久々の表舞台だったが、発した言葉は
少々情けなかった。前の首相、民主党の野田佳彦氏だ。

自公民の3党合意だった今国会での選挙制度改革の実現は
先送りに。攻守の立場がかわり安倍晋三首相への悩み節
だったのだろうが、「0増5減」の先行可決に反対した民主党にも
責任はある。通常国会の会期末まで参院議長不信任決議案、
首相問責決議案の応酬と与野党対立むき出し。そのあおりで
電力システム改革を進める電気事業法改正案など重要法案が
廃案になった。国民そっちのけでは、政治不信、政治離れが
進むばかりだろう。

「へいわってうれしいね。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね」。
沖縄戦が終結した「慰霊の日」の戦没者追悼式で、沖縄県与群国島の
小学1年生が朗読した詩の一節だ。基地負担軽減を誓う安倍首相
の空疎な言葉と対照的だった。

来る参院選では、憲法改正,TPPの参加、原発再稼動など
日本の将来が懸かる争点がずらり。ぜひ有権者の心に響く
政治家の言葉を聴きたい。巧言にはだまされない。自民党の優勢が
伝えられるが、都議選を見ると民主党の支持回復はまだ遠いようだ。
そういえば、野田氏が愛唱するのは武田鉄也さん作詞の
「思えば遠くへ来たもんだ」とか。<この先どこまでゆくのやら>の
歌詞が身に染みる今日このごろか。

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