スタッフブログ
政治の役割
- 2013年7月16日 11:15
- M.N氏の岡目八目
政治の大きな役割の一つに、社会保障がある。私たち一人一人が
安定した生活を続けるために、国や自治体が所得を、こちらから
あちらに移すことによって、年金、医療、介護、育児などのサービスを
行う制度だ。
今日ほど、社会保障が叫ばれる時代はない。というのも、
少子高齢化が急速に進行し、高齢者に充てられる給付額が増大
しているからである。国全体で毎年3兆円増え続け、いかに財源を
確保するかが、最大の課題と言える。世代間負担の公平を図り、
持続可能な制度にしないといけない。
ここまでは、多くの人たちが共通認識を持っているのだが、
わが身に降りかかってくると、保険料、税は引き上げてもらっては困る。
しかし、保障費はもっと充実させてほしい、と思ってしまう。参院選
で各党、社会保障をどう改めようとしているのか。
公約を見ると、「消費税は社会保障に使う」(自民)「最低保障年金の
創設を目指す」(民主)「公的年金は積み立て方式に移行する」(維新)
「税と社会保険料を一元管理する庁を設ける」(みんな)などで、
改革の道筋はわかりにくい。安心して老いてゆける社会はどこに、である。
心に柱を
- 2013年7月12日 08:16
- M.N氏の岡目八目
報道された写真を見ると、塔(とう)のあった跡に
柱が1本立っている。解体修理中の薬師寺東塔(やくしじとうとう)
の心柱(しんばしら)を取り外す貴重な光景だった。
日本では亡くなった人の命を「柱」と呼ぶ。柱には神が宿る
とされ命の代名詞になった。塔はその象徴だ。高い塔を
支えるために柱を立てるのではない。柱を守るために
壁や屋根が必要なのだ。だから心柱と呼ぶ。柱が命の塔の
本質がわかる写真だった。
中国などの石造(いしづくり)りの五重塔は内部が空洞
(くうどう)になっている。日本の塔とは似て非なるものとされる。
薬師寺東塔の心柱は2本の大木をつないである。上部は
取り換えられたものだが、下部は1300年前のまま。
樹齢(じゅれい)は1500年と推測される。
樹齢千年の木で建てた塔は千年の風雪に耐える。
千年の木を育てる森林ができるには「千年かかる」という。
薬師寺復興に関わった宮大工、西岡常一(にしおかつねかず)
さんの言葉である。
立派な塔には立派な木材が、いい木材を育てるにはいい森林が
必要だ。民主主義に似ている。政治家も有権者も一日では育たない。
遠い先を視野に足元を固めていくのが選挙だ。心の柱を。
党の政策に命を。
信じる
- 2013年7月11日 12:22
- M.N氏の岡目八目
歴史年表をみると、世界ではナチスのベルリン五輪開催、
国内では二・二六事件が起きた。そんな1936(昭和11)年以来の
出来事に英国中が沸いた。テニスのウィンブルドン大会男子で、
マリー選手が英国人として77年ぶりに優勝した。
試合後「勝てないときも我慢し信じてくれた」とコーチに感謝した。
コーチは米国人のイワン・レンド氏だ。テニスファンなら知らない人は
いない、往年の名選手だ。信じて待つ師匠と、それに応えた弟子。
そう書けば、米英の師弟なのに浪花節の雰囲気が漂う。
77年ぶりとまではいかないが、大相撲は久しぶりの日本人横綱
誕生の期待に沸く。加えて注目されるのが八百長問題をめぐる
裁判で勝訴し、土俵に帰ってきた蒼国来(そうこくらい)と、初の
アフリカ人関取の大砂嵐(おおすなあらし)だ。
初日から黒星が続く蒼国来に対し、師匠の荒汐親方は
「きょうよりあした」と話し、こちらも一貫して信じて待つ構えで臨む。
期待に応えて昨日、蒼国来は待望の白星を手にした。
白星先行の大砂嵐は昨日の日没から、イスラム教徒のラマダン
(断食月)が始まった。今場所は、日の出から日没まで飲食を
禁じられた状態で相撲を取る。母国エジプトの混乱も気になるだろう。
午前2時に起き日の出まで食べて飲んで土俵に備える。
そんな大砂嵐を、部屋を挙げてサポートする。支えがあるから
踏ん張れる。支える人と支えられる人だ。国籍は関係ない。
願いごと
- 2013年7月 6日 08:27
- M.N氏の岡目八目
近所のスーパーマーケットに、七夕飾りがお目見えした。
客寄せのための営業企画という"今どきの風流"だが、
目にすると季節を感じ、心がほっと和みます。赤や青、黄色の
短冊に子どもたちの願いが書き込まれている。「お花やさんに
なれますように」「アイドルになりたい」「勉強ができますように」
「はあとのおみみのくまさんがほしい」
無垢(むく)な願いに交じって、こんなのもあった。「家族の
みんなが笑顔でいられますように」「じいちゃんの腰が治りますように」。
きっとかなうよ、周囲に気付かれぬようにつぶやいた。
大人たちが願い事を託す参院選が明日、告示される。有権者は
何を願うのだろう。景気がよくなりますように、生活が楽になりますように、
東日本大地震での避難者が早く古里に帰れますように。
世知辛い世の現実にのまれ、願うことすら忘れているかもしれない。
しかし政治とは本来、人々の夢や希望、目標によって形づくられるはずだ。
それが民主主義、と信じたい。
有権者の願いはただし、祈るばかりでなく行動しなければかなわない。
子どもたちの数え切れない願いは、七夕飾りをしなだれさせた。
大人たちの短冊も、たくさん投じられますように願いたい。
有権者に響く言葉を
- 2013年7月 2日 10:09
- M.N氏の岡目八目
「だました人が悪いのか、だまされた私が悪いのか」。
衆院小選挙区定数の「0増5減」に伴う区割り改定法を再可決した
先日の衆院本会議。久々の表舞台だったが、発した言葉は
少々情けなかった。前の首相、民主党の野田佳彦氏だ。
自公民の3党合意だった今国会での選挙制度改革の実現は
先送りに。攻守の立場がかわり安倍晋三首相への悩み節
だったのだろうが、「0増5減」の先行可決に反対した民主党にも
責任はある。通常国会の会期末まで参院議長不信任決議案、
首相問責決議案の応酬と与野党対立むき出し。そのあおりで
電力システム改革を進める電気事業法改正案など重要法案が
廃案になった。国民そっちのけでは、政治不信、政治離れが
進むばかりだろう。
「へいわってうれしいね。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね」。
沖縄戦が終結した「慰霊の日」の戦没者追悼式で、沖縄県与群国島の
小学1年生が朗読した詩の一節だ。基地負担軽減を誓う安倍首相
の空疎な言葉と対照的だった。
来る参院選では、憲法改正,TPPの参加、原発再稼動など
日本の将来が懸かる争点がずらり。ぜひ有権者の心に響く
政治家の言葉を聴きたい。巧言にはだまされない。自民党の優勢が
伝えられるが、都議選を見ると民主党の支持回復はまだ遠いようだ。
そういえば、野田氏が愛唱するのは武田鉄也さん作詞の
「思えば遠くへ来たもんだ」とか。<この先どこまでゆくのやら>の
歌詞が身に染みる今日このごろか。
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