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スタッフブログ

豪雨の恐怖

山口県や島根県で豪雨被害が拡大している。
気象庁が出した「これまでに経験したことのない大雨」
という表現が尋常ではない気象状況を象徴している。
ある研究者は「400~650年に1度の雨」としている。

日本海上空に「寒冷渦」と呼ばれる低気圧が発生し、
そこに暖かく湿った空気が流れ込んだのが原因だそうだ。
今月中旬に東北で発生した豪雨も似た現象らしい。

1時間当たりの雨量が10~20㍉では「ザーザー」
という音がする「やや強い雨」。30~50㍉で「バケツを
ひっくり返したような雨」。50~80㍉では「滝のように降る」。
山口県萩市では28日、1時間に138・5㍉が降った。
これは「息苦しくなるような圧迫感」がある降り方という。
住民の恐怖は想像に余りある。

今夏は深刻な電力不足が予想されていないため、
「節電」のムードは昨年よりは低調だ。だが、温暖化
による地球の病は確実に進行している。時折の豪雨は
その警告に思えてならない。

 

デトロイト市

米国自動車産業の"聖地"として自他共に認めてきた
デトロイト市(ミシガン州)が破産申請したというニュースに驚き、
隔世と無常のダブル感に打たれた。それはおごったわけでは
ないだろうに。しかし何かと見誤ったとしか思えない。

日本ではまだ車が高嶺の花だった当時、一家に一台と言われた
米国の普及率を受けて華やかな脚光を浴びていたのが
デトロイト市だった。フォード、ゼネラルモーターズ、クライスラーの
いわゆるビッグスリーがしのぎを削り、「モーターシティ」との代名詞を
奉られた同市は一時180万人の人口を誇ったという。

その聖地をおびやかすようになったのが、モーターライゼーション
(自動車化)では、はるか後発であった日本だったというのが、
米国版「平家物語」の数奇な展開なのだ。取るに足らない相手だった
日本車があれよあれよという間に市場を席巻、気がついた時は
外堀が埋まっていた。

負担総額は邦貨にして約1兆8千億円に達し完全に財政破綻した
同市の現在の姿をテレビが映し出していたが、ゴーストタウンと化した
工場街や荒れ放題の公園などが、かっての栄華をしのばせて
一層哀れに見える。国がどのような救済策を講じるのかは分からないが、
夕張市の例を引くまでもなく限度はあるだろう。

デトロイトの労働者が攻撃の標的として日本車を叩き壊していた
当時の映像を思い出し、水鳥の音に驚いて逃げ出す前に、敵は何か
と考えていたらこういう結果にはならなかったろうにと、凋落の根源
を考えて見た。

NHK朝ドラ『あまちゃん』。

高視聴率をはじき出すNHK朝の連続ドラマ『あまちゃん』。
毎朝欠かさず見ているわけではないが、フラッシュバックされる
昭和59年当時の雰囲気につい感情移入してしまう。

脚本の冴えだろう。テンポが速く面白い。さらに演じる俳優陣が
かってのアイドルでもあり、劇中劇の趣もある。おそらく40歳以上なら、
主人公の母親役小泉今日子と大物女優役薬師丸ひろこの
2大アイドルの人気度はリアルタイムでご存じだろう。

ドラマは半年間のため、残り2ヶ月少しになったが。東京での
沈滞ムードを引きずった主人公が北三陸で迎えた平成22年
初頭の場面が進行している。おそらく終盤に向けて、東日本大震災の
悲劇も不可避なテーマになるのだろう。

同番組では、灘の造り酒屋を舞台にした『甘辛しゃん』が
阪神・淡路大震災を取り上げたことがある。今後、刻々と迫る
未曾有の大災害をどのように描き切るのだろうか。
震災発生2年半近いが、心穏やかではない。

 

土用の丑

土用の丑の日が近づいてきました。ウナギのかば焼きは、
数ある魚料理の中でも味わいや香りに格別のものがあります。
この時期になると、何としても食べたくなるのが人情です。

年中食べても飽きないという熱狂的なファンが、ウナギには
多いようです。歌人の斎藤茂吉氏は、長男の見合いの席で、
相手の女性が手を付けないでいたウナギをもらい、食べて
しまったことがあるそうです。

将棋の加藤一二三九段は、出前の早さや栄養面の利点を理由に、
対局のたびにウナギを食べることで知られています。

こうした逸話を聞いているだけでも、ウナギにかぶりつきたく
なってきますが、各界の名士に比べてこちらは圧倒的に
懐具合が寂しいのが、悲しくも現実です。よって、自動的に
年に1、2度の楽しみとなります。

しかも最近では国産種だけでなく、欧州産の別種の稚魚が
減っており、クジラという先例を考えた時に、中長期的な資源量の
管理の厳格化も懸念されます。

庶民の味方としてサンマやアナゴのかば焼もありますが、
おいしいのですが、やはり別の魚です。ウナギを存分に
楽しめる日がいつまでも続くことを願っている一人です。

ウイスキーの味わい

酒が好きだった父は、晩酌で安物のウイスキーを
ちびりちびりと飲んでいた。たまに高級ウイスキーが
手に入ると、飲み終えた空き瓶にいつものウイスキーを
詰め替えていた。中身は安物でも、いい気分で
飲めたのだろう。

バブル花盛りの1990年時代、関東ではボトルキープ
といえばウイスキーだった。同じころブランデーが好まれた。
どこのスナックの棚にも、VSOPやナポレオンがずらりと並んでいた。

やがて日本酒ブームが到来し、全国の地酒が身近な居酒屋で
飲めるようになった。個人の好みで言えば、辛口のさっぱりした酒が
口に合う。それぞれの酒の古里に思いをはせながら味わうのがいい。

次にきたのが焼酎ブームで、いまも居酒屋では主役の座にある。
ロックでも湯割りでもいけるし、女性好みの甘いカクテルもある。
「とりあえず」のビールは別格として、焼酎抜きの酒席は
考えられないほどだ。

そのあおりでウイスキーの需要は低迷していたが、炭酸水で割る
ハイボールのヒットで人気を盛り返してきたという。確かに居酒屋では
飲む機会が増えた。とはいえ酒店ではまだ、売り場の片隅に
追いやられている。

久しぶりぜいたくして、ストレートでおいしく飲めるシングルモルトの
小さなボトルを買った。たるの中で10年間熟成された味はまろやかで、
強めのアルコールがすっと鼻から抜けた。流行に左右されない
ものづくりも大切だと気持ちよく酔いながら思った。

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