- 2014年1月22日 08:12
- M.N氏の岡目八目
民法学者だった末川博さんは「人生三分論」を理想として
唱えられていた。一日24時間のうち、人はおおむね8時間眠り、
8時間働き、残り8時間を自分のために使う。これを一生に
当てはめた。
すなわち人生75年として、最初の25年は人の世話になって
一人前の人間にしてもらう。次の25年は仕事に励んで世の中の
ためになり、育ててもらった恩返しをする。最後の25年は
趣味などを楽しみ自分の好むところに従って生きる。
明治生まれの末川さんの時代と今では、社会背景も人心も
随分変わった。60歳すぎまで働くのが当たり前になった昨今、
25年単位で人生を区切るのは無理かもしれない。それでも
区分を引き伸ばしてみれば、考え方としては有効だろう。
長い人生航路にめりはりが付きそうだ。
過日、大学入試センター試験が終わった。受験というのは、
若者が人に「育ててもらう」期間での一つの試練であろう。
次の段階へ進むステップではあるが、憂鬱な関門でもある。
わが身を振り返ってみて受験の記憶はほとんど薄れてしまったが、
問題用紙を前にしての張り詰めた緊張感だけは覚えている。
入試を目前に控え、わが子の様子を祈るように見守っている
親御さんも多かろう。
年明けにいくつか神社を巡り、たくさんの絵馬を目にした。
合格祈願の文面をたどって行くと、それぞれの受験生の姿が
目に浮かぶようだ。列島は寒の中だが、抜けない冬はない。
とエールを送りたい。