- 2013年11月 9日 16:18
- M.N氏の岡目八目
世界で始めて打ち上げに成功した人工衛星は、
旧ソ連のスプートニク1号である。1957年、ソ連の一部だった
カザフスタンのバイコヌール基地からR-7ロケットで飛び立ち、
周回軌道に乗った。慌てたのは、ソ連と冷戦状態にあった
米国だ。頭上を敵の衛星が飛ぶ「スプートニク・ショック」。
その脅威が全力で宇宙開発に突き進ませることになった。
R-7ロケットが弾道ミサイル用に造られたように、
宇宙開発は軍事が主眼だった。平和利用がうたわれたのは
後の話だ。代表格が米国と日本、ロシア、欧州、カナダの
15カ国が参加する国際宇宙ステーション(ISS)である。
そのISSに若田光一さんがパイコヌール基地からロシアの
ソユーズロケットで旅立った。半年の滞在のうち後半約2ヶ月、
日本人初の船長を務められる。経験豊富なだけに重責も難なく
こなされるだろう。ソユーズには来年2月に開幕するソチ五輪の
聖火トーチも積まれたようだ。ロシア人飛行士2人が外で
「宇宙聖火リレー」を挙行。別のクルーが地球に持ち帰り、
開会式の聖火台点火に使う趣向のようだ。
ブーチン大統領の人気取り、「政治利用」のにおいもしない
わけではないが、祭典に花を添える「平和利用」とも言えようか。
もちろん軍事目的の開発競争は今も頭上で激しい。
それを平和のために振り向けるには、各国が共同作業を
積み重ねるしかないと思う。
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