- 2013年10月29日 18:31
- M.N氏の岡目八目
夜の長さを実感できるようになってきました。この季節は
書棚に押し込められたり、机の周囲に積まれたりした本が
気になるときでもある。それらの本を見ると、繰り返し手にしている
お気に入りの1冊が目に入る。読んだのは1度だけの本でも。
読みきることなく放りだされた積読(つんどく)本もある。
そして、本を見れば本と自分との関わりが見えてくる。
手にしただけで何十年か前に初めて読んだときの感動が
よみがえるものさえある。そういうふうに本と接してきたが、
最近は本をめぐる事情が少し変わってきたようだ。
紙を使わない電子書籍が増えてきた。
電車に乗れば文庫本を手にするのが当たり前の世代。
しかし、今では小型の端末画面に触れながら読み続ける姿が
自然に見えるようになった。形は違っても活字を追う姿に、
むしろ安心感を覚えたりする。
読書週間が始まった。昨日は文字・活字文化の日でもある。
文字が生まれ、本が誕生してからの人との関わりに思いを
巡らすのもいい。手書きから印刷に。紙を使わぬ書籍も。
いずれにせよ、人が魅力的な本との出合いを求めているのは
変わらない。出合えたとき、それは至福のときだ。
そんな本を探す秋もいい。