Home > M.N氏の岡目八目 > 精神修養

精神修養

「柔術」を「柔道」と改めたのは講道館を創始した嘉納治五郎
(かのうじごろ)氏だ。柔術に打ち込むは乱暴者が多かったらしい。
「柔術は勝つための術を教えるが、人間が踏み行べき道が
忘れられいる」。嘉納治五郎氏はそう見た。

「まず精神修養で根本となる道を教え、術はその次に教えるべきだ」。
こんなえから名称を「柔道」した。講道館は「道」を講ずる教育所
という意味だ。修業の目的も崇高だ。社貢献に努め、人類が
ともに発展していくことにあるという。

この理念があるから、柔道が世界に広まったのだろう。
米国大統領だったセオア・ルーズベルトも心に学んだという。
嘉納治五郎氏はアジア初のオリンピック委員にもなられた。

その栄えある日本柔道が醜聞にまみれていると報道されている。
女子選手への力問題や助成金不正問題に続き、全日本柔道連盟の
70代理事による女性へのわいせつ行為もるみに出た。
嘉納治五郎氏が亡くなって75年。たがが緩んでしまった。

嘉納治五郎氏の教育は独特だ。道場番の門弟が禁止されている
酒を友人と飲んいるところに突然れ、空の一升徳利(とっくり)を
両足に挟みながら熱心に形(かた)の説明をされた。二人は青くなっが、
嘉納治五郎先生は酒のことは何も言わず戻られたそうだ。
今も天上から気利いた論しの言葉発していられることだろう。
柔道界に聞こえていると思うのだが。

Home > M.N氏の岡目八目 > 精神修養

Search
Links

ページ上部へ戻る