- 2013年2月12日 13:02
- M.N氏の岡目八目
柔道女子トップ選手への暴力問題をきっかけに、
日本のスポーツ界で「選手と指導者の在り方」が問い直されている。
重いテーマだなと思っていた折、「いい話」が聞こえてきた。
競泳男子平泳ぎの北島康介選手が、かって師事した平井伯昌
コーチの下で練習し現役を続行するという。「水泳人生を
締めくくるには、もう一度平井先生に指導してもらいた」。
弟子からうれしい声のプレゼントが届けられた。
平井コーチの教えを請うため海外からも有力選手が来る。
選手は技術の取得に集中する。そこに暴力の入り込む余地はない。
感情を制御できず、選手に暴言を吐き、手を出す。コーチの
力不足を露呈しているようなものだ。「情熱」の継続は
根気のいる作業でもある。
かってのプロ野球選手で、巨人の荒川博、王貞治両氏の
師弟関係は有名だ。打者に転向して力を発揮できない王選手に、
荒川コーチは「一本足打法」を挑戦させる。ひたすらバットを振る。
思いを共有することで困難を乗り越えた。
体操男子のアテネ五輪団体総合金メダリスト、塚原直也選手は
旧ソ連の元エース、故ニコライ・アンドリアノフ氏に8年間、教わった。
「知恵のあるコーチ」に出会ったことが幸運だったと話した。
「知恵」とは多彩な指導の引き出しを持つことだと思う。