- 2013年1月21日 19:28
- M.N氏の岡目八目
JR東京駅の赤レンガ駅舎が復元され、観光客の人気を集めているが、
もう一つ大きくにぎわっているのが全国の駅弁コーナーだ。
昨年8月、駅構内に開店した「駅弁屋の祭り」には、山形・米沢の
「牛肉どまん中」や香川の「たこ飯」など170種に及ぶ名物駅弁が
並べられ、買う人で混雑している。
駅弁は1885年に現在のJR宇都宮駅でたくあんを添えたにぎり飯を
竹の皮に包んで売り出したのが始まりとされる。それが今では、
新幹線で大阪へ出張に向かうサラリーマンが車内で北海道のいか飯に
舌鼓を打つ姿も見られるようになったと。駅弁はグルメのジャンルに
定着したということだろうか。
かって昭和の時代に旅先で味わう駅弁が格別にうまかったのは、
その土地の空気の中で食べたからではないだろうか。おかずも素朴で、
弁当のふたについたコメを一粒ずつはしでつまむと日なたの香りが
したことを思い出す。今、東京駅のコーナーでよく売れているのは
東北の弁当と聞くが、お客の中には被災地復興支援への
思いもあるようだ。
かっての「文庫本を持って旅に出よう」というキャッチフレーズにならって、
「駅弁を食べに地方へ旅立とう」。それでこそ真のグルメだと
新春早々呼びかけたいと思いも浮かぶ。