- 2012年9月12日 20:37
テレビが普及するまではラジオが団欒(だんらん)の主役だった。
たんすの上、仏壇の脇など茶の間を見下ろす特等席に鎮座
していたが、後に携帯ラジオが普及した。
真空管がなくトランジスターとも呼ばれた。それまでのタイプより
ずっと小さかった。電源は乾電池だ。どこにでも持っていける
というのがうたい文句で、ショルダーバックのように肩掛け用の
ベルトが付いていた。
だがいま「携帯」と聞いてラジオを想像する人はいないだろう。
ほとんどの人は電話のことだと思うに違いない。言葉は時代とともに
変わり、その一部の意味だけが使われるようになることがあるようだ。
「認知」とは本来「ものごとを知ること」だが、法律では親子関係を
成立させることを指す。しかし最近では「症」を付けて使われる。
経営再建を表す「リストラ」は、その手段の一つ「人員削減」の意味だ。
「選挙」はどうか。大別すると、身近な市町村の選挙、知事や市長、
県議選、市議選そして国政選挙があるが、国民の多くは「近いうち」
と言われる総選挙を思い浮かべるのではないか。
ところが、東京永田町でいま選挙と言えば、民主党代表選、
自民党総裁選のことを指すようだ。有権者は候補者の公約や
人物で選ぶが、永田町では「党の顔」になるかどうかが基準らしい。