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新入社員頑張れ

 「就職したらトイレ掃除の担当を命じられてね」。知人の子息が新入社員時代
を振り返る。大学を卒業し、社会での活躍を自信満々に思い描いていた。
会社勤めの地味な現実との落差に不満がたまる。

掃除をするために大学を出たんじゃない、もう辞めようかーと家族に相談し
た。父親が言葉を掛ける。「大学を出たなら、出たなりのやり方があるんじゃないか。
一生懸命考えてやってみろ」。男性は奮起し、あれこれ工夫して掃除に打ち込む。
与えられた仕事に精いっぱい取り組む姿勢が身に付く。
社会人として一回り大きくなった気がした。

見城徹さんら著「憂鬱(ゆううつ」でなければ、仕事じゃない」(講談社刊)
を読んでみた。「うまくいかない」と嘆く人に、見城さんは「君は体を張ったのかい?」
と問うている。<七転八倒しながら、リスクを引き受けて、憂鬱な日々を過ごす>
ことが大事と説いていられる。

今春、就職した若者と話す機会があった。思い通りにいかず悩むこともあろ
う。掃除だろうと何だろうとまず目の前の仕事に全力を尽くしてみる。
いつの間にか壁を乗り越え、成長した自分に気付くはずだ。

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