- 2012年2月13日 11:02
- M.N氏の岡目八目
50年後の日本はどうなっているのか?「なぁに、オレは
その頃まで生きていない」と無責任に開き直ることはできない。
これまでの人生経験に照らして一言ぐらいはアドバイス
すべきがOBとしての務めというものであろう。しかし実際は
どうなるのか?
厚生省は、日本の総人口は48年後の2060年までに
現在の3割減にあたる8674万人に減少するだろうという
推計を発表した。関東地方の人口がそっくり消える計算で、
25年後には1億人の大台を割りそうだ。
もっともこれは、少子高齢化の趨勢(すうせい)がこのまま
続くという前提の下に立っての推計だろうから、今後
「うれしい誤算」が生まれる可能性は高くないにせよ、
確率的にはあり得るだろう。いや思わぬ現象が起こって、
いつなんどき「多子低齢化」に転ずるとも限らないのである。
だからそう悲観的になることもあるまい。
とはいえ、その対策は講じておくべきだ。しかしそれは
いかに人口を増やすべきかという視点からではなく、
まさに税と社会保障の一体改革によって「高福祉少負担」の
未来モデルを構築することにこそあろう。
人口の減少は経済のパイを小さくするが、人口密度が減り、
地価も下がる。インフラの投下も少なくて済み、政府も行政も
規模が圧縮される。年金の受給者だって減る。こうした
仮定の中で理想的な国づくりを考えることだ。
端緒(たんしょ)は必ず開けるだろう。