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総力戦

正月になくてはならない「箱根駅伝」。今年で88回とは本当に
長い歴史を紡いできたものだ。伝統のレースは数多いが
今年もきっと記憶に残るだろう。東洋大が往路4連覇に復路を加えて
圧巻の総合優勝を果たした。

 「僕が苦しいのは1時間ちょっとなので福島の人に比べたら
大したことはありません」。その言葉にはジンとさせられた。
福島県いわき総合高出身の柏原竜二選手。ありきたりだが、
力を振り絞って箱根の山を駆け上る様に復興への願いを
ダブらせた人も多かったに違いない。

駅伝の名は奈良時代の律令(りつりょう)制に定めた「駅場伝場」が
由来という。政府が地方に通達を出したり、情報を集める時、
使者が宿泊する駅や乗り継ぐ馬を確保しながら移動した。
そこで着物にたすき掛けをしたかは定かではないが、駅伝は
大事なものを人から人へつなぐ姿そのものだ。

東洋大の酒井俊幸監督が出したコメントも、優勝できたのは
走った選手だけの力ではないというものだった。「部員全員、
マネジャーも総力戦。そして早大や駒大などライバルがいたからこそ
強くなれた」。決して忘れてはならない大切なバイブルを見たような
大会だった。

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