Home > Archives > 2012年1月 Archive

2012年1月 Archive

商業ビルの新感覚

年明け早々に都内で知人と会食することになり、
JR有楽町駅で待ち合わせをした。この周辺に足を運んだのは
半年ぶりだったが、短期間での変貌ぶりに驚いた。

およそ一年前に閉店した西武百貨店が、JR東日本系列の
ルミネとして生まれ変わっていた。半年前はまだ改装中で、
入り口周辺は看板で覆われ、暗さばかりが目立っていた。

ビルそのものを新築した訳ではないので、店内は決して広い
とはいえないが、そこを逆手にとってお目当て以外のショップも
のぞいてみる氣にさせようと、テナント店舗をうまく配置されていた。

中年の男性には「場違い」と感じるところもあろうが、
各階にカフェがあり、また昨秋、国内最大級のメンズファッションの店舗
として生まれ変わった阪急とも通路でつながっているので、ご婦人が
買い物に熱中している間に暇をもてあますことはないだろう。
動線もうまく考えた空間づくりに感心した。

少し前の経済ニュースが、この両店舗の改装オープンと、
国内外のファストファッション店の進出により有楽町、銀座周辺の商店街に
新しい人の流れができ、活気づいたと伝えていたことを思い出した。

受験

受験シーズンになると菅原道真を思い出す。
「学問の神様」として知られる人だ。道真は870年、
最高の国家試験「方略(ほうりゃく)試(し)を受ける。出題は2問。
「氏族を明らかにせよ」「地震を弁(わきま)えよ(論ぜよ)」。
この当時から地震への関心は高かったらしい。

というのも前年に陸奥国で大きな地震があった。
人々は、家が倒れて圧死したり、地割れに埋まったりして死んだ。
津波も多賀城(宮城県)の城下まで押し寄せ、溺死者が
千人ばかり出たという。東日本大震災で話題になった
貞観(じょうがん)地震だ。その前の年にも播磨地震(兵庫県)が
あった。

さて道真の試験結果はどうだったか。第1問では
歴史の考証の不備を指摘される。第2問では
「地震の起きる理由が押し極めておらず、妄(みだ)りに
種々の考えを述べ・・・」と厳しい評価。が、道筋はほぼ
整っているなどとして、合格判定だった。(寒川(さんがわ)旭著
「地震の日本史」)。

ただ、合格点としては最低の「中の上」。当時の試験官は、
甘くすると沽券(こけん)に関わるとでも思っていたらしく、
答案に文句をつけ、合格点も「中の上」が普通だったとか。
が道真は「合格したといっても虫の食った桂の枝を折ったようなもので、
父上に申し訳ない」と嘆いたという。

今日で大学入試センター試験が終わった。受験生たちは
寝る間も惜しんで、猛勉強の日々を送ってきたことだろう。
苦労して培った力だ。すべて出し切ったことだろう。
結果は自(おの)ずとついてくるはずだ。「学問の神様」でも
やっと試験に受かっていた。と思えば氣も楽だ。

初競り

気温、水温、海の匂い、月の位置、潮の満ち引き。
全てに目を配れる経験と勘が必要だ。むろん運も。
漁師という仕事のことだ。新年早々、青森・大間の漁師さんに
幸運の女神が舞い降りた。東京の築地市場の初競りで、
大間のクロマグロが5649万円の市場最高値で競り落とされた。

広大な築地市場はいくつもの競り場に分かれている。
近海物の天然クロマグロは市場の最奥、王の王座のような
位置で競りを待つ。「海のダイヤ」とまで称される魚の貫禄だろう。
ところが、そのダイヤ、海外勢に買い負けることしばしばだった。
ことしは東京のすしチェーン店社長が落札した。その言葉がいい。
「海外ではなく日本の皆さんに食べてもらいたかった。みんなで頑張ろう
と景気づけをしたい」

通常価格で提供されたそうだ。宣伝効果を計算した上での入札には
違いないが、太っ腹の社長に拍手を送った人は多かっただろう。
その調子、その調子、沈滞が続く日本経済もその調子で上向いて
くれるといい。クロマグロが泳ぐ速度は最大で時速80~90キロそうだ。
眠るときも泳ぎはやめないで一生を泳ぎ続けて餌の魚を捕るという。
泳ぎ続けるマグロの景気のいい落札劇だった。なにやら活を
入れられた気分になった。

総力戦

正月になくてはならない「箱根駅伝」。今年で88回とは本当に
長い歴史を紡いできたものだ。伝統のレースは数多いが
今年もきっと記憶に残るだろう。東洋大が往路4連覇に復路を加えて
圧巻の総合優勝を果たした。

 「僕が苦しいのは1時間ちょっとなので福島の人に比べたら
大したことはありません」。その言葉にはジンとさせられた。
福島県いわき総合高出身の柏原竜二選手。ありきたりだが、
力を振り絞って箱根の山を駆け上る様に復興への願いを
ダブらせた人も多かったに違いない。

駅伝の名は奈良時代の律令(りつりょう)制に定めた「駅場伝場」が
由来という。政府が地方に通達を出したり、情報を集める時、
使者が宿泊する駅や乗り継ぐ馬を確保しながら移動した。
そこで着物にたすき掛けをしたかは定かではないが、駅伝は
大事なものを人から人へつなぐ姿そのものだ。

東洋大の酒井俊幸監督が出したコメントも、優勝できたのは
走った選手だけの力ではないというものだった。「部員全員、
マネジャーも総力戦。そして早大や駒大などライバルがいたからこそ
強くなれた」。決して忘れてはならない大切なバイブルを見たような
大会だった。

一富士、二鷹、三茄子といえば、初夢で見ると、縁起が良いとされるもの。
富士山、鷹狩り、初物の茄子を徳川家康が好んだことや、「無事」「高く」
「事を成す」の語呂合わせ説などが、諸説ある中の代表的な起源といわれる。

今年の吉凶を、占う初夢だけに、明るい楽しい夢に越したことはない。
悪い夢を食べてくれるという、架空の動物「獏(ばく)」の字を書いた紙を
枕の下に敷いて寝る週間もあると聞いたこともある。

想像上の動物といえば、今年の干支(えと)「辰」もそうだ。
十二支では唯一、人間がつくり出した動物。東洋は竜、
西洋ではドラゴン。日本などでは神聖視されることが多い。

 竜は巨大なパワーやエネルギーの象徴で、身を立てて天に昇る
意味もあるようだ。中国では皇帝のシンボルとされ、「国民総幸福量」
を国是とするブータンの国旗には白い竜が描かれている。

それにしても「昇り竜」とも言われるように、辰年は上昇機運が高まる
縁起がいい年とされる。新幹線が開業して東京五輪が開かれ、
青函トンネルや橋が開通したのも辰年だった。今年5月には
東京スカイツリーが開業する。


Index of all entries

Home > Archives > 2012年1月 Archive

Search
Links

ページ上部へ戻る