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人型ロボット

電話中に目の前で別の人に話し掛けられ、どちらの声も
聞き取れず困ったことがある。同時に複数の人の話を聞くことが
できればいいのだが、一度に二つのことはできない性分だ。

先日、ホンダが発表した人型ロボットASIMO(アシモ)の新型は
同時に複数の人の顔や言葉を認識できるといい、聖徳太子も
びっくりの性能だ。

対向して歩いてくる人の動きを予測してぶつからないように進み、
片足ジャンプも可能。瓶を手に取りふたをひねって開け、手話もできる。

2000年に誕生したアシモ。当時は二足歩行に驚かされながらも、
その動きにロボットらしさを感じた。年々進化し、今は人をも超える
性能を備えた。ロボットが大概のことをこなすようになれば、人は
どうなるのか。

「百のうち九十九まで失敗する。われわれは勝負師ではない。
負けても何が原因で負けたのかを追求することに意義がある」とは
ホンダ創始者・本田宗一郎氏の言葉だ。

アシモも幾多の失敗と追求のたまものだろう。人とロボットの境目が
薄れていくが、たまに失敗するぐらいの愛嬌は残しておいて欲しいと
負け惜しみを言いたくなる。

(M.N)

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