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経済成長

これからどうやって再生するのだろうか。世界経済を揺るがす
ユーロ危機の火種となった、ギリシャである。欧州各国が話し合いを重ねて、
ようやく危機を収める枠組みができたようだ。膨大なギリシャの借金は
半分近くを棒引きにするそうだ。それで経営の屋台骨が揺るがないように
銀行は自己資本を厚くする。今後、同じように財政難に陥る国が出てくる
のに備えて、各国で基金を積み増すとのことだ。

だが、あくまで最悪の事態をにらんだ貸し手の防衛作である。
古今東西、貸し手が行き詰った借り手の将来まで案じてくれはしない。
借金に頼らず国の経済を成り立たせる道は、ギリシャが自ら切り開く
しかない。

政府は財政再建を揚げて増税や年金削減を断行し、国民の怒りを
買っている。55歳から受け取れる年金などの厚遇には共感しづらい
面もある。しかし将来展望が示されないままリストラを強いられるだけでは、
猛反発する心情も分からなくはない。

地中海の青い海と空。白く輝くバルテノン神殿。世界中から観光客が
集まり海運業も盛んな国だが、ほかに目立った産業はない。
経済を成長させて国民の懐を温め、税収を伸ばさなければ、いずれまた
借金が増えるのは目に見えている。

ギリシャの二の舞だけは避けようと、日本でも財政再建の議論が
熱を帯びている。とはいえ増税や節約ばかりでは国民の士気は高まらない。
元気が出るような経済成長の種を、上手にまく必要があるのだが。

(M.N)

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