- 2011年10月29日 18:55
- M.N氏の岡目八目
「3冠」の称号はプロ野球に限らず、スポーツ界ではおなじみだ。
三拍子に通\じ、バランスの良さを思わせる。三景や三筆のように
日本語の語呂にもぴったりくる。だが本をただせば英国、それも
競馬に端を発するという。
日本競馬界の3冠は若駒がしのぎを削る。春の皐月賞は中距離走。
馬群が混みがちなダービーは運も左右する。夏場の後に控える
菊花賞はスタミナ勝負の長丁場だ。今年はオルフェーヴルが総なめし、
史上7頭目の三冠馬となった。
ディープインパクト以来だ。負けず知らずでその座に就いた
名馬と比べられるが、道のりは随分違う。やんちゃな気性で、
デビュー戦では騎手を振り落とした。4連敗し、10着に
沈んだこともある。
あの手この手で調教陣が覚えこませたのがベース配分だ。
人間の世界では耳遠くなる一方の辛抱や我慢を学び、
持ち前の瞬発力に火が付いた。ディープのせがれ2頭を
寄せつけなかった菊花賞。ゴール後には、またも地面に
騎手をはわせるご愛嬌まで見せてくれた。
来年秋、各国の三冠馬級がパリ郊外に集う凱旋門賞に挑むという。
挫折をバネに、世界と戦えるところまできたようだ。
復興日本の底力をダブらせてみたくなる。テレビで見てても、
走る姿には感動する。
(M.N)