- 2011年6月20日 17:00
- M.N氏の岡目八目
パリのエッフェル塔が完成した翌年、東京に
「浅草のエッフェル塔」と呼ばれる建物ができた。
レンガ造り12階建ての凌雲閣である。
高さは本家の6分の1程度だったが、眺めの良さから
大勢の人が詰めかけたそうだ。
凌雲閣から見て隅田川の向こう側では、まさに
雲を見下ろすような東京スカイツリーが建設中だ。
こちらの高さ634メートルはエッフェル塔の2倍、
自立式電波塔として文句なしの世界一を誇る。
先日、来年5月22日の開業と入場料が発表された。
高さ450メートルの第2展望台で大人3000円という
高額料金に驚いた人は多かったのではないか。
「結構するなあ」と思いつつ一度は破格の眺めを体験したい、
と心は揺れ動く。
前評判は高く、運営会社は開業から1カ月半は完全予約制を
敷くそうだ。ただ「一度は見たい」は「一度見たら気が済む」
につながる。強気の料金が後々どう影響するか。
凌雲閣は国内初のエレベーターなど眺望以外でも
集客に努めたが、後年訪れる人が減った。
地震で揺れる度に建物の安全性への信頼が揺らいだのも一因らしい。
ついに関東大震災で上部が崩れ、後に解体される。
東日本大震災と原発事故で「高品質・安全安心」の日本ブランドは
大きく傷ついた。技術の粋を集め、大震災による被害も受けなかった
というスカイツリーは失った信用を取り戻す第一歩になる。
やはり一度は登ってみたい。
(M.N)
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