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浦安の前代未聞

県議選の選挙事務を拒否する浦安市と総務省の対立は、
未曾有の東日本大震災で、行政手法の違いが
抜き差しならなくなったと言えなくはない。

市内の4分の3は埋め立て地。大地震であちらこちらから
泥水が噴き出し地面は波打った。液状化現象である。
公共施設の多くが被災し、職員もライフラインの復旧にかかりきりだ。
とても選挙は無理だと浦安市は延期を求めてきた。

統一地方選延期の特例法を作るまでは国も地方も、
選挙どころではないという判断で一致していた。
その適用範囲を、総務省が物理的に影響のある
三県二十市町村に限定して、両者は袂を分かつことになる。

総務省は「多少困難があっても、しなければ法律(公職選挙法)違反
になる」という批判はその通りでも、特例法を制定しなければ
ならない環境のもとではどうか。施設や学校の被災状況を調査し、
千葉県選管の見解、判断を参考に選挙延期の「指定の必要なし」
と総務省。「自分たちの代表を選ぶ民主主義の重要なプロセス。
市はしっかり自覚していただきたい」との判断。

市内の小中学校は同じころに入学式を開く。
「安全に投票できる場所はあるはずだ」。県選管はあくまで
予定通り実施をとの立場だ。互いに歩み寄りの気配はなく、
このままでは当選者を決められない前代未聞の事態となる。

仮に投票所施設が万全で、県や総務省の応援で選挙事務などの
「物理的」な体制は確保できたとしても、有権者の大半が
市を離れていては誰のための民主主義かという根幹が問われると思う。

(M.N)


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