- 2011年4月 6日 11:44
- M.N氏の岡目八目
桜の季節になった。いつもなら浮き立つ気分にあふれる
花見の名所も、今年は華美な演出を控える所も多いようだ。
絢爛(けんらん)、生命力、無常観。桜は人にさまざまな思いを
抱かせる。桜前線は北上し、やがて東日本大震災の被害地に及ぶ。
平穏であったなら、一緒に花見を楽しめたはずの家族や友人を失った
被害者の方たちは「大切な人」を花に重ねることだろう。
自らの命を賭して「大切な人々」を救った人たちいる。
宮城県南三陸町の24歳の女性職員もその一人。
防災放送の業務中、行方不明になったと新聞、テレビで報道された。
自分にも危険が迫る中、津波の襲来と避難を懸命に呼び掛け続けた。
町に響く放送に背中を押され、助かったと住民たちは感謝する。
任務中に殉職したり安否不明となった警察官や消防士の方も多い。
生死がかかった最前線での強い使命感は、国民が一体となって
苦難に挑むようにとのメッセ-ジにも思える。
危機が続く東京電力福島第1原発事故でも、放射能の危険の中で
過酷な作業に取り組んでいる人たちがいる。
困難の連続だろうが、無事に任務を果たしてもらいたいと
祈るばかりだ。
東北の桜は美しく見応えがあるという。
厳しい冬を耐えて迎える春の輝きが大きいからだろう。
今年の花は未来への「希望」であってほしいと願うばかりだ。