- 2011年2月17日 17:12
- M.N氏の岡目八目
孔子は、弟子から政治の要締は何かと問われて答えた。
「まず国民に十分食べ物を食べさせること」、次に軍備充実で
安心させ、「為政者が国民から信頼されること」。
「民信なくんばたたず」の教えだ。
現代中国は社会主義を掲げてはいるが、政府指導者にとって、
この紀元前の教えは今も切実かもしれない。広大な国土に
13億人の国民を抱えて、「まず食べさせること」が
求められているからだ。
日本を追い抜き、国民総生産(GDP)世界2位の中国。
軍備を拡大し米国と張り合う大国となった一方で、
内部矛盾が広がっているそうだ。貧富の差の拡大や
拝金主義の横行。カネとコネがものをいい、
礼節はどこへやら、が目立つとも聞く。
1960年代の文化大革命で毛沢東が「批林批孔」運動を仕掛け、
孔子は封建的として排除された。あれから時を経て孔子はは復活。
北京五輪の開会式で孔子の名句を唱えた演出は、
中国の精神文化のアピールだった。
GDP世界2位の国にふさわしい礼節とは。
「論語」に「礼の用は和を貴しとなす」を見つけた。
これは礼儀作法だけでなく、全体の調和が大切という教えだ。
大国であればこそ心がけるべき振る舞いではないだろうか。
さすが5千年の歴史に培われた教えは、現代でも生きる。
ただし、民を治める為政者向けだ。広がるインターネットから、
GOP2位の市民向け教えが出てくるかもしれない。
(M.N)