- 2011年1月10日 15:47
- M.N氏の岡目八目
平安末期、栄華を極める平家の滅亡を夢見て
ひたすら剣術の稽古に励む少年が京の鞍馬にいた。
遮那王(しゃなおう)といい幼いころは牛若丸、
後に源義経を名乗った。
奥州に向かう稚児姿の遮那王は追っ手を察知、
烏帽子(えぼし)を着けた大人の東男に身をやつす
ために急遽(きゅうきょ)、前髪を切って元服することにした。
近江国・鏡の宿で自ら元服式を行い、家門再興と武運長久を
祈った。(滋賀県竜王町観光協会案内)
源氏の総領家に生まれながら、不遇な幼少期を送った義経だ。
元服を後見する2人の烏帽子親はおらず、太刀と、脇差しを
それに見立てた。このとき16歳。
大人になる道は死と隣り合わせで、さぞ険しかったろう。
現代の成人式の原型は男性に兵役が課された明治時代にあり、
徴兵検査が大人への入り口だった。
戦後、国民の祝日として1月15日と法律で定められた。
2000年からは1月の第2月曜となったので
今年は明日10日が成人の日だ。
けなげにもひとりで元服の儀式を終えた義経は、
平家を次々と打ち破るたくましい武士となった。
決してたやすくはない現世に大人になる若者たちも、
強い意志を持って自らの道を切り開いていってほしいと願いたい。
(M.N)