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血沸き肉踊る

正月は箱根駅伝をテレビで観戦するのが恒例行事になっているが、
今年も選手の快走に拍手を送り、順位が入れ替わるたびに一喜一憂した。

1920年に始まった箱根駅伝は、今年で87回を迎えた。
往路と復路の計10区間、200キロを越す起伏に富んだコースが生む
筋書きのないドラマが、長く人々を引きつけてきた。
駅伝の醍醐味は、一本のたすきに熱い思いを込め、
懸命に受け継いでいくことにある。
「天の時は地の利にしかず、地の利は和にしかず」の精神だ。
そのために厳しい練習を重ね、全員の心を一つにする。

それにしても往復路10区を10人の選手が継走する駅伝というスポーツは、
孤独と重圧に耐えながらひたすら走り続けることを要求され、
しかも行く手に何が起こるか分からないという点で、
これほど辛く苦しい競技はあるまい。
不測の事態が起きて不調に終わった選手の思いがどんなものか、
まったく気の毒としかいいようがない。

今年は早大が18年ぶり13度目の総合優勝を果たした。
昨秋の出雲全日本選抜と全日本に続き、大学駅伝3冠に輝いた。
箱根3連覇を目指して激しく追い上げた東洋大とのデッドヒートが、
沿道を沸かせた。

シード権を賭けた4校の10位争いが復路に華を添えた。
コースを間違えた国学院大の選手が、それでもダッシュして
みごとシードを手にしたのはあっぱれという他はない。

(M.N)

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