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金のなる木

江戸幕府を開いた徳川家康がある時、家臣に向かって
「金のなる木を知っておるか。知らぬなら教えてやろう」と言い、
しょうじ木(正直)、じひふか木(慈悲深き)、よろずほどよ木
(よろず程よき)の三つを示した。

さらに家康は家臣らに「ほかにもあるはずだ」と問い、
いさぎよ木(潔き)、しんぼうつよ木(辛抱強き)、ゆだんな木(油断なき)、
ようじょうよ木(養生良き)、あさお木(朝起き)などを挙げさせて、
三つの木の左右の枝として描いた。

言葉遊びのたぐいではあるが、いずれも人として
身に付けておきたい資質や健康の大切さなどを教えるものばかりだ。
家康は、金のなる木は人の心の中にあるとして常日ごろから
こうした事柄を守り、心掛けている人には自然と声望が集まり、
運気も呼び込んで「必ず富貴を得られよう」と言った。

現代の若者はキレやすく、仕事が長続きしないなど、
感情のコントロールや忍耐が足りないと指摘されることが多い。
心の中の「しんぼうつよ木」が十分育っていないからかもしれない。

また、振込み詐欺など言葉巧みに人をだます犯罪が後を絶たないのは、
世の中から「しょうじ木」が減り、「よくふか木(欲深き)」が増えているから
であろう。われわれも「ゆだんな木」を心掛けておかねばならない。

新しい年を迎えた。家康の言葉を借りれば、
今年こそ「よろずほどよ木」1年にしたいものだ。

(M.N)

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